
パッシングを練習する上での予備知識、心構えなどをまとめてみました。
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| §0-0 | イントロダクション |
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パッシングというのは2人(もしくはもっと多く)のジャグラーの間で、道具をパスしあうようなジャグリングのことです。見た目の鮮やかさ、バリエーションの豊富さ、レクリエーションとしての楽しさなど多くの魅力を兼ね備えるパッシングは大変人気が高く、ジャグリングの1つの分野を形成しています。
補足:パッシングやスチールのように複数の人間で行なうジャグリングに対して、1人の人間で行なう通常のジャグリングを(あえて区別するために)ソロジャグリングと呼ぶことがあります。
理屈抜きでパッシングは楽しいものです。見た目には難しそうに見えますが、カスケードがある程度安定してできるぐらいの腕前があればすぐにパッシングを覚える事ができます。またある程度パッシングの技術がある人どうしなら、全く事前に打ち合わせをしなくても、さまざまなパッシングの技を織り交ぜてジャグリングを続ける事ができます。これはJAZZでアドリブでセッションをする楽しさに似ているかもしれません。言葉が通じない外国の人とでもパッシングという手段でコミュニケーションを取れるのです。
パッシングにソロジャグリングに勝るとも劣らぬ無数のバリエーションがあります。2人のパッシングだけでも星の数ほどのバリエーションが考えられていますが、物体の数を増やしたり、パスをする人数を増やしたりする事で更なる広がりをみせます。
このようにパッシングというのはジャグリングの可能性を大きく広げてくれるものです。このページではパッシングの基本からその無数のバリエーションを、パッシングの理論的な解説を交えて紹介していこうと思います。
| §0-1 | パッシングに使う道具 |
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トスジャグリングの3種の神器はボール、クラブ、そしてリングです。基本的にはどんな道具でもパッシングをすることができます。ただそれぞれで投げ方、取り方が微妙に違いますし、見た目の印象、やっている感覚も異なるものになります。
パッシングの道具として最も人気が高いのがクラブです。見た目にも大変鮮やかですし、慣れてしまえば投げたり、受け取ったりが最もやりやすく感じる道具です。この教本でもクラブパッシングをメインに解説をしていきたいと思いますが、もちろん教本の内容をボールやリングに置き換えて考えることもできます。
クラブパッシングの特徴はスピンを考慮しなければいけないことです。ボールやリングと違い、クラブはキャッチするべきところが決まっていますから、正しいスピンでクラブを投げなければ相手はクラブを受け取る事ができなくなります。この教本の中ではこのクラブ独特のスピンに関して触れた部分が多く出てきます。ボールやリングでパッシングを練習される方はこの部分は単に無視していただければ結構です。
| §0-2 | パッシングに必要なもの |
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パッシングを始めるのに必要なものはまず何をおいても一緒にジャグリングをしてくれるパートナーです。周りにジャグリングしている人が1人しかいないなら、すぐに友達を誘ってジャグリングを教えましょう。もしジャグリングの上級者がいるなら、上級者にパッシングのパートナーをしてもらうほうがいいでしょう。最初はパッシング経験者にパートナーをしてもらったほうが上達は格段に早くなります。
2人でパッシングする場合は6つの物体でジャグリングするパターンが基本になります。1人の場合は3つが基本ですので、道具の数は単純に1人の時の2倍になるわけです。ですからパッシングを始めるには少なくとも6つのジャグリング道具を用意しておかなければいけません。とはいっても普通はジャグリングをする人は3つのジャグリング道具は常に持ち歩いているものですから、心配しなくてもパートナーが見つかれば自然に必要な道具も揃うわけです。ただ後々に使う道具の数が増える事を考えて、1本か2本、スペアを用意しておくことができれば申し分ないですね。
パッシングはカスケードと同じく、一旦慣れてしまえば非常に自然なジャグリングです。ですから1人でカスケードができる人ならいつでもパッシングを始める事はできます。ただとは言っても、相手がパッシングの上級者ではない場合は、お互いにカスケードが100回から200回は確実に続くくらいのレベルにあったほうがいいでしょう。
パッシングには必ず相手がいます。1人でやっている時は感情を持たないジャグリング道具を相手にしていたわけですが、パッシングの場合自分の反対側にはもう1人の人間がいることを忘れないようにしましょう。
相手との息が合わなければジャグリングは決してうまく続きません。自分ひとりでジャグリングしている時は自分の好きなリズムでやっていればいいのですが、パッシングの場合は常に相手とリズムを合わせるようにしなければいけません。パッシングは自分と相手との協調性も必要とされます。
パッシングでは失敗した時ついそれを相手の責任にしてしまうことがよくあります。これは最も避けなければいけません。例えば相手が失投をしたとしても、それは自分の失投が結果的に相手の失投を誘ったということも考えられるからです。すべてを相手に押し付ける態度はお互いにとってよいものではないでしょう。
ただしこのことと相手のミスを指摘することはまったく違います。たとえば投げたクラブのスピンが速すぎて取りにくいとか、だんだん遠くに離れていっているといったことを相手に指摘してあげることは、非常に有益な事です。失敗した時はお互いに客観的にその原因を指摘しあうようにしましょう。相手が上級者だからとか、年上だからとか言う遠慮は全く必要ありません。
パッシングの上達はオーバーに言えばよい人間関係をつくることでもあるのです。
| §0-3 | パッシングを発展させる方法 |
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パッシングの基本は2人の人間が6つの道具を使って行なうもので、これはソロジャグリングにおける3カスケードに相当するものです。ソロジャグリングを志す人はまず何を置いても3カスケードをマスターしなければならないように、パッシングを志す人はまずはこのパターンを習得しなければなりません。
基本的なパターンが安定したら、そのあとパッシングをどのように発展させていくかは実はいろいろな方向があります。この教本ではそれぞれを1つの章を作って解説しています。どれもが独立した分野なのですぐにでも始める事ができるでしょう。
パッシングの通常のパスの代わりに少し変わった投げ方(トリック)を挿入する事ができます。
これは非常に面白いアプローチです。通常のクラブパッシングのリズムを壊すことなく、変則的な投げ方を挿入する事ができます。もちろんこれはある一定のルールに従っているのです。この理屈を覚えるとパッシングのパターンの中で自由に投げ方(高さや方向)に変化をつけることができるようになります。
これはある意味明快なアプローチです。クラブの数を7本、8本と増やしていく事でさらにパッシングのバリエーションに広がりができます。(もちろん難しさも高くなります。)
これはパッシングならではのアプローチです。パッシングは3人でも、4人でも、もっと言えば100人集まっても楽しむ事ができます。これは全員が簡単なルールを理解してさえいればいつでもできる、素晴らしいレクリエーションです。2人より多くの人間で行なうパターンにもそのフォーメーションやパスの出し方など多くのバリエーションがあります。
| §0-4 | パッシングのノーテーション |
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この教本ではパッシングのパターンを表す表記法としてコーザルダイアグラム(Causal Diagram)というものを採用します。これは複雑なパッシングのパターンを簡潔に表現する事ができる、大変優れたノーテーションです。このノーテーションの解説はジャグリング教本の中の「ジャグリングを科学する Causal Diagram」で説明していますので是非読んでみてください。
