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サイトスワップノーテーション @/ A/ B/ C/ D/ E/ F/ G
2007.5 Juggling教本を大幅にリニューアルいたしました。
こちらは旧版になりますので、最新版は以下のページを参照してください。
Juggling 教本

サイトスワップノーテーション@

イントロダクション

あるジャグラーの集まりでよく見られる会話

「4から71に移行するにはどうすればいいの?」
「まず右手で5、左手で6を投げればいいんだよ。」
「なるほど、つまり4657171・・・ってわけだね。」
「ところで7333ってできる?」

何も知らない人が見れば暗号のようにしか思えない会話ですね。ここにでてきた意味不明な数字の並びはいったいなんなのでしょう。これが実はジャグリングと深いかかわりを持っているといったら驚きますか?これから説明するSiteSwap(サイトスワップ)というジャグリングノーテーションです。

サイトスワップ(Siteswap)というのはジャグリングのパターンを数列を使って表現しようとする極めて数学的なアプローチです。こう書くと数学嫌いの方は思わず後ずさりしてしまうかもしれませんね。確かにサイトスワップは万人にすんなりと受け入れられる表現方法ではないかもしれません。そういう人のために念を押しておきますが、サイトスワップが分からなければジャグリングができないと言うふうに考える必要は全くありません。サイトスワップはジャグリングに対する1つのアプローチに過ぎません。ジャグリングの世界は非常に間口が広いものです。中にはジャグリングを数学的に考える人がいたって構わないではないですか。

しかし一方でサイトスワップは慣れてしまえば非常に便利であることも確かです。その利点は何といってもその単純さにあります。複雑なジャグリングパターンが簡単な数字で表現されてしまうのですから、これほど便利な事はないでしょう。サイトスワップに由来して名前が付けられているジャグリングパターンも数多くあります。

さらにサイトスワップの有用性は単なるコミュニケーションの手段にはとどまりません。サイトスワップはジャグリングを数学的に考える手段をも提供しました。その理論を応用する事で簡単に新しいパターンを生み出す事ができるようになったのです。むしろサイトスワップの最大の貢献はこちらにあるのではないかという気もします。サイトスワップを覚える事によって自分で新しいパターンを開拓する可能性が開けるのです。すばらしい事だと思いませんか?

サイトスワップを勉強しようと思ったのだけど、いまいちよく分からない、あまりの敷居の高さに断念してしまったと言う人は結構多いようです。これはほとんどのサイトスワップの解説が数学的なアプローチで語られているからなのではないでしょうか。理系の人にとってはなんでもないことなのですが、数学になじみのない人にとっていきなり難解な定義から説明されるのは抵抗があるでしょう。サイトスワップはもっと直感的に十分理解できるものですし、その数学的な背景を知らなくても恩恵にあずかることが可能です。ですからこれからの解説ではなるべく数学の教科書的な説明にならないよう多くの実例も使った分かりやすいものを心がけていきたいと思います。もちろん理論好きな人のために数学的な説明も加えていくつもりですが、苦手な人はその辺はどうぞ読みとばしてください。

経験上、多少分からないところがあっても実際に用語として使っていく事で次第に分かるようになるもののようです。いったんつかんでしまえばその考え方ははきわめて単純で合理的なものです。

サイトスワップを勉強する上で

サイトスワップとはジャグリングの表記法なのですから、やはりある程度のジャグリングができた方が話が分かりやすくなります。ジャグリングについて全く知らないと言う方はぜひボールジャグリング教本をみながら簡単なジャグリングを練習してみてはどうでしょうか。以後の説明では具体例を多く出しながら話を進めていこうと思うので、ジャグリングの技の名前について簡単な知識は持っておいたほうがいいでしょう。

サイトスワップはトスジャグリングの表記法です。今後ジャグリングと言うときは特に注意がない限りトスジャグリングのことを指す事にします。トスジャグリングの基本的な道具としてボール,クラブ,リングといったものがあります。以下の説明では主にボールを使いますが、当然クラブ,リングに置き換えてもほとんど同じことが言えます。(ただクラブの場合はスピンと言う要素が加わるので少し話は複雑になるかもしれません。)

数学的な知識に関してはほとんど仮定しません。小学校の加減乗除が分かればサイトスワップを使いこなすには十分です。もちろんその理論的な裏づけまでを知ろうとなると少し難しい数学(と言っても中学・高校生程度ですが)を用いますが、そこまで理解する事はとりたてて必要なことではありません。大切な事はサイトスワップを道具として使いこなせるようになることで、サイトスワップそのものを勉強する事ではないのですから。

全くジャグリングをした事がない人、登場するサイトスワップが実際にどんなパターンになるのか知りたい(でも練習するのは大変!!)と言う人は自分の代わりにコンピューターにジャグリングをさせることもできます。現在大変優れたソフトとして世界的にも有名なJuggleMaster(松岡顕氏作)というジャグリングシミュレーションソフトがあります。おそらくこの手のソフトの中では最高のものでしょう。フリーソフトウェアですので、是非自分のパソコンにダウンロードして使ってみて下さい。

有名なソフトなのでどこからでもダウンロードする事はできますが、ここでは松岡顕氏の所属する大阪大学ジャグリングサークルのページを紹介しておきます。



歴史的背景について

余談ですがサイトスワップ(Siteswap)というのはいったいどういう意味でしょう。Siteは位置、Swapは交換と言う意味ですから直訳すれば「位置交換」という意味になります。何故このノーテーションにこのような名称が冠せられているのか、それにはこのノーテーションが生まれた歴史的な背景に理由がありそうです。

いったい何の位置(Site)を交換(Swap)するのでしょう。それはもちろんボールの位置です。3ボールカスケードでは3つのボールが整然と並んで1つの軌道の中を追いかけあっています。いかなる瞬間も3つのボールの位置関係は入れ替わりません。ではこのボールの位置を入れ替える方法はないのでしょうか。

2つのボールの位置を変えるためには一方のボールを高く投げておいて、その間に次のボールを先に送ればいいような気がします。しかしそうは言っても全くリズムを壊さずにこれを行うのはなかなか難しい事です。うまく成功させるのにはいったいどのタイミングで、どのような高さでボールを投げればいいのでしょうか?

これがサイトスワップを生み出した発想です。この答えはこれからのサイトスワップの説明を読んでいく中でおのずと明らかになっていくでしょう。その前に自分自身でこの問題の答えを考えてみても面白いかもしれませんね。

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