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サイトスワップノーテーション @/ A/ B/ C/ D/ E/ F/ G

サイトスワップノーテーション

補足1

ここでは本文の中では深く触れなかったサイトスワップに関するいくつかの事実について補足説明をしておきたいと思います。

補足1.1 カスケードとファウンテン

何故奇数個の基本パターンはボールがクロスし、偶数個の基本パターンはボールがクロスしないのかは次のように合理的に説明する事ができます。

3個のボールと4個のボールで説明しましょう。(一般化は簡単です)

基本パターンの特徴は全てのボールを左右交互に同じリズムで投げる事でした。しかも全てのボールは同じ高さに上がるので投げるボールの順番が入れ替わる事はありません。

ここで3個のボールをA,B,Cということにすればボールは一定のリズムで

A B C A B C A B C A B C …

と投げられます。3個のボールの場合、あるボールが投げられてから3拍のちに同じボールが投げられる事になります。ここでボールは左右交互に投げられる事を思い出せばボールを投げる手とボールの関係は以下のようになります。

投げる手
投げるボール

この図を見れば一方の手でボールを投げたとき、そのボールが次に投げられるのは必ず反対の手になります。(奇数は2で割ると余りが1になるからです。)そのためにはボールは反対の手に向かって投げなければなりません。

同様に4個のボールなら次のような表が書けます。

投げる手
投げるボール

今回は全てのボールが次も同じ手で投げられる事になります。(偶数は2で割り切れます。)ですからボールは同じ手に向かって投げなければなりません。

補足1.2 サイトスワップの数字とボールの高さの関係

サイトスワップの数字は高さと比例するわけではないという話をしましたが、それでは具体的に数字と高さはどのような関係にあるのでしょうか。

本文でも述べたとおりボールの高さはボールを投げるリズムに依存するものですから、具体的なボールの高さについて議論するのは本質的ではありません。ここでは考えているのはボールの高さの比です。分かりやすく言えば同じリズムでジャグリングしたときのボールはのボールの何倍の高さに上がるかということについて論じています。(実際のジャグリングに必要となるのはまさしくこのことですね。)以後ボールの高さと言っているのは全てボールの高さの比の事であり、時間はジャグリングのリズムの基本であるビートを単位とするものであることをに注意してください。

物理学の法則を使えばボールの高さは滞空時間の2乗に比例する事が分かっています。ここで滞空時間とはボールを投げてから受け取るまでの時間のことです。この長さをTとするとボールの高さHは次の式で与える事ができます。

H = (1/2)*g*(T/2)^2 = (1/8)*g*T^2   (gは重力定数、^2は2乗の意味です。)

サイトスワップの数字はボールを投げる間隔を表しているものですから、この式によりそれぞれのボールの高さは完全に決定できそうです。

しかし実は話はそう簡単ではありません。なぜならサイトスワップの数字が表しているのは

だからです。ボールを投げてから次に投げるまでの間にはボールが空中に浮いている時間と、ボールが手の中にある時間があります。この2つを滞空時間(Airtime)保持時間(Holdtime)ということすると

サイトスワップの値 = 滞空時間 + 保持時間

と書けます。ここで問題になっているのはボールの滞空時間ですから、それを知るためにはボールの保持時間を知る必要があります。しかしサイトスワップではボールがどのくらいの時間手の中にあるのかについては一切触れていません。これはサイトスワップの考え方の大きな弱点の1つです。保持時間を変えることで同じ値の投げ方でも投げる高さは変わってしまいます(保持時間を少なくすればそれだけ高さは高くなります。)例えば同じというパターンでもボールを保持する時間を変えることでいろいろなスタイルでジャグリングする事が可能です。

一方の手からボールを投げてから次にボールを投げるまでの間隔は2ビートです。ですからどんなに多くとも2ビート以上ボールを保持しておく事はできません。問題はこの2ビートのうちどのくらいの割合ボールが保持されるかです。これを比で表し、ボールの 保持率ということにしましょう。これを実際に測定するのはそれほど難しくはないでしょう。

今、話を簡単にするためボールを保持する時間を1ビートとしましょう。(つまり保持率は0.5となります。)このときサイトスワップの各値のボールの滞空時間と高さの比を表にまとめてみました。

表1−保持率0.5

サイトスワップ保持時間滞空時間滞空時間の2乗高さの比
312 41
413 92.25
514 164
615 256.25
716 369

しかし一般的にはもう少し話は複雑で、ボールの保持時間はこのような簡単な整数にはならず、たいてい1より大きくなるのが普通のようです。ボールの保持率は0.5より大きくなるのです。これは一方の手に注目したとき、手がボールを持っている時間の方が、手が空になっている時間より長くなることを意味しています。手の中にボールが長い間あった方がジャグリングは安定しますから当然ですね。もし保持率を0.7とすると次のような表が作れます。

表1−保持率0.7

サイトスワップ保持時間滞空時間滞空時間の2乗高さの比
31.41.6 2.561
41.42.6 6.762.64
51.43.6 12.965.06
61.44.6 21.168.27
71.45.6 31.3612.25

このようにボールを投げる高さはジャグリングをするスタイルによって違うもので個人差があるものだといえるでしょう。

さて,お気づきかもしれませんが以上の議論であえて触れなかった問題があります。サイトスワップの投げ方でたった1つだけどうしても1ビート以上ボール保持できないものがあります。という投げ方です。

この投げ方はサイトスワップの中では何かと厄介なもので、この投げ方が入ったパターンのリズムを多くの人がうまくつかめないでいるのも無理はないことなのです。3ボールカスケードのリズムは等間隔に聞こえるのに、3ボールシャワーのリズムは少し偏って聞こえることはよくあります。これは決して誤ったリズムでジャグリングしているのではありませんからご安心ください。3ボールシャワーでは投げる間隔は均等でも、ボールをキャッチする間隔は均等ではないのです。これは上に述べた問題が関係しています。

余談ですがジャグリングシミュレーションソフトJuggleMasterでは1の投げ方がボールを手で弾いているように見えてしまします。(松岡氏も言っているとおり、これがこのソフト唯一の欠点です。)これには上に述べたような微妙な事情が絡んでいるのかなと思っているのですが、どうなのでしょうか。


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