以上ダイアグラムノーテーションのいろいろな例を見てきましたが、なるほどと思った反面、実際自分でダイアグラムを書いてみようと思ったときに少し腑に落ちない点がいくつかあったかも知れません。これは実際僕もこの記事を書く上でたくさんのノーテーションを考えていたときにぶつかった問題です。一見非の打ち所のないノーテーションに見えますが実はいくつかあいまいな点を含んでいるのです。それはジャグリングを一定のリズムに押し込めるときに無理が生じるところがあるからなのです。
このパターンをジャグリングしてみましょう。1個のボールを使った簡単なジャグリングです。リズムに合わせて右、左、右、左とボールを左右に往復させます。メトロノームに合わせるなら1回メトロノームがなるたびにボールをすばやく反対の手にパスするという事になります。
ところでこれを見て少し疑問に感じませんか。実際問題ダイアグラムで線が垂直に動くという事が起こりえるのでしょうか。これでは右手から左手へボールが瞬間移動している事を意味しています。つまり滞空時間0の投げ方です。もちろん物理的にはそのような事は不可能です。むしろ下のように書くほうが自然なような気がします。
しかしこのように書くとまた問題が生じます。分かりますか。今度はボールを取った瞬間に投げなければならないという矛盾が出てくるのです。つまり手の中にボールがとどまる時間が0になってしまいます。
なぜこのようなことが起こるのでしょう。それはボールを投げる間隔を1ビートと定めた事に原因があります。ボールを投げてから次に投げるまでの間にボールが空中にある時間と手の中にある時間があります。それは厳密にいえば0.5、0.5となるのかもしれませんが、ダイアグラムではそれを表現することができません。つまりどちらかの時間を無理やり0にしなければならないのです。ここから先程のようなあいまいさが生じてきます。
このあいまいさをなくすためにダイアグラムを書く上で次のルールを用意するものとします。
つまりボールを受け取って、それと同時に投げると言う事を禁止するのです。これは原理的に不可能なジャグリングを排除する目的もあります。例えば次のようなダイアグラムは不適当です。
このルールを考えあわせるとどうしても滞空時間0の投げ方というものを認めざる得なくなってしまうのです。これはボールを投げるのではなく手渡すのだと考えれば納得できないこともありませんが、実際はボールを低くすばやく投げる事を表していると考えてください。
ここでダイアグラムノーテーションの利点と弱点をまとめておく事にしましょう。
//ダイアグラムノーテーション終わり