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ボールジャグリング教本 第2章 ボールジャグリングの基本トリック

2007.5 Juggling教本を大幅にリニューアルいたしました。
こちらは旧版になりますので、最新版は以下のページを参照してください。
Juggling 教本

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§10 スタートとフィニッシュ(Start & Finish)

Index
§10-0イントロダクション
§10-1スタート(Start)
§10-2フィニッシュ(Finish)


§10-0イントロダクション

スタートとはボールを投げてジャグリングパターンをスタートさせる事、フィニッシュとはボールを受け取ってジャグリングパターンをストップさせる事です。ジャグリングをスタートさせる事とフィニッシュさせる事はどんなトリックにも増して重要な事です。どんなに面白いジャグリングの技も始める事ができなければ意味がありませんし、ボールをキャッチして終わる事ができなければボールが床に落ちるまでジャグリングを続けるしかありません。

人前に立ってジャグリングのショーを演じようと思っているならなおさらそうでしょう。スタートとフィニッシュはショーにおいて最も印象的な瞬間であり、重要な拍手のポイントだからです。

ジャグリングをスタートさせる事は手に持ったボールが突然宙に舞い始める劇的な瞬間、まさに静から動への転換点です。このときボールに命が吹き込まれるのです。それらのボールは時に鮮やかなそして時に複雑な軌道を描いて踊ります。そして観客はボールが奏でるメロディーに我を忘れ、夢の世界にいざなわれるのです。ところがあるとき突然、全てのボールが演者の手によってその動きを止められ、客は夢から現実の世界に引き戻されます。動から静へ、ボールはもはやただの物体になり、観客は今まで見ていたものが幻想である事を知るのです。このとき観客はその心地よい余韻を味わいながら、幻想を作り出した舞台上のたった一人の演者に惜しみのない拍手を送ることになるでしょう。

スタートとフィニッシュの大切さがお分かりいただけましたか?インパクトのあるスタートは観客を演者の表現する世界に強くひきつけます。そして要所に入れられたフィニッシュは効果的なピリオドの働きをし、それにより観客の興奮は高まります。演技の最後のフィニッシュはいわばグランドフィナーレでその興奮は頂点に達します。

もし演者がパターンを止める前にボールを床に落としてしまったらどういうことが起こるでしょう。客は現実に戻され、そこに演者があわててボールを拾っている姿を目にします。これでは幻想の余韻を楽しむ事などできません。もし誰もから優れたジャグラーだと思われたいなら、その秘訣はとても簡単なことです。

常に成功することによってフィニッシュしましょう

それほどジャグリングが得意でない人でもこの秘訣を実践する事は簡単です。要するにボールを落とすよりも早くフィニッシュをすればいいだけのことですから。

■スタートとフィニッシュの練習

スタートとフィニッシュは実はある意味最も練習のやりやすいトリックです。なぜならどんなジャグリングの技を練習するのにもスタートとフィニッシュは必ず行なうものだからです。お気に入りのスタートやフィニッシュを決めたら、どんな技を始める時にも常にそのスタートを行い、そのフィニッシュによってパターンをストップするようにしましょう。それを習慣のようにしてしまうのです。必然的にそのスタートやフィニッシュは1日に何十回も繰り返す事になります。そうして知らず知らずのうちに必要な技術を身に付けていく事になります。もう何も考えなくてもそれらのトリックができるようになるはずです。

パターンをフィニッシュさせる習慣というのは特に重要です。得てして人はパターンをボールを床に落とすまで、つまりは失敗するまで続けようとしてしまいがちです。パターンを何回続けられるかという記録に挑戦しているなら、もちろんこれは正しい姿勢ですが、人にジャグリングを見せる事を踏まえた練習をしているのならこれだけではいけません。先ほどもいったようにショーにおいては常に成功によってパターンを終わる必要があるからです。すべてのパターンは必ずフィニッシュも含めて1つの練習だと考えましょう。

ある程度上級者になってくると、自分が失敗しそうになる直前にフィニッシュをすることを覚えてきます。失敗しそうに思えたら、すぐにボールを回収して、改めてパターンをスタートします。これは意図的なフィニッシュとはいえませんが、ボールを床に落とすよりははるかにましです。

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§10-1スタート(Start)

■3ボールスタート(Three Ball Start)

3ボールスタート(Three Ball Start)とは3つのボールを同時に投げ上げて、カスケードをスタートさせるトリックです。突然3つのボールが空中に飛び上がる印象的なスタートです。基本的に3ボールマルティプレックススローの技術を使います(マルティプレックスの節を参照してください)。

3つのボールを投げる時は3つのボールの高さに違いを作らなければなりません。人間の手は2つしかないので同時に落ちてくる3つのボールを同時にキャッチする事はできないのです。マルティプレックスの節で述べたように、2つのボールを高く、1つのボールを低く投げる方法が一般的な方法です。高さを投げ分けるのはそれほど難しい事ではありません。3つのボールを片手に持ち、一度に投げようとすると自然に指先のボールは高く、手の平のボールは低く飛んでいくからです。

ポイントは最初のボールをできるだけ早くキャッチする事です。これにはクローキャッチ(§5 キャッチ参照)を使うといいでしょう。ボールが落ちてくるのを待つのではなく、まだ上昇している間に上から掴み取るのです。次にキャッチしたボールをすぐに投げ、落ちてくる2つのボールをキャッチします。高いボールと低いボールの差をはっきりとつけたほうがこのトリックは成功しやすくなります。

片手で投げるのが難しい人は両手で投げる方法もあります。こちらのほうがはるかに簡単です。両手の中でボールが3角形になるように保持します。この状態で両手に均等な力を加えながらボールを投げると外側の2つと内側の1つがきれいに分離して飛んでいきます。

ちょっとした装飾を加えましょう。片手からボールを投げる時に手首を反対の手で軽く叩きます。ボールを投げる手が突然動きをさえぎられる事によって、手の中からボールが飛び出したように見えます。

さて3ボールスタートをさらに発展させていきましょう。

◇ボディースローとの組み合わせ

片手からの3ボールスタートにボディースローを挿入してみましょう。

  • アンダーザレッグ
  • ショルダースロー
  • バッククロス
  • アンダーザハンド

などすべて試してみる価値のあるトリックです。

又の下から3つのボールを投げ、前方でキャッチしてカスケードを行なうスタートもあります。

◇ボディーバウンスとの組合せ

次に3ボールスタートにボディーバウンスを組み合わせてみましょう。見た目の意外性が高く、大変効果的なトリックです。

3つのボールを片手から投げ上げます。今回は1つのボールだけが比較的高く上がるようにしましょう。下の2つのボールを素早くクローキャッチでつかみます。最後のボールをキャッチしてカスケードに戻る前に、体で一度バウンスさせるのです。膝(ニーバウンス)や頭の上(ヘッドバウンス)がこのトリックに最適です。一度バウンスさせたら、そのボールをキャッチしてカスケードをスタートさせます。

これをボディースローから行なうとさらに面白い発展になります。例えば

  • アンダーザレッグから3つのボールを投げ、最後のボールをニーバウンスさせる
  • ビハインドザバックから3つのボールを投げ、最後のボールをヘッドバウンスさせる

などです。

◇ピルエットとの組合せ

3つのボールを同時に投げ、1回ピルエットを行い、カスケードをスタートさせます。かなり難しいトリックですが、苦労して習得するだけの価値はある素晴らしいスタートです。最初につかむべきボールを回転の直前に目で捕らえ、ピルエットの後すぐにこのボールをクローキャッチでつかみにいきましょう。

■ピックアップ(Pick Up)

これは床の上(や机の上、お客さんの手の上)にあるボールを直接手で拾い上げてジャグリングをスタートさせるテクニックです。スタートだけではなく、パターンを止めないでボールの数を増やしていくこと(ビルドアップ)にも利用できます。

◇3ボールカスケードのピックアップ

床の上にボールが1つある状態から始めましょう。両手にボールを持ち、床に膝をついて座ります。このとき床の上のボールは一方の膝(ここでは右膝とします)の前にあるようにします。この段階で床のどの位置にボールがあるかをしっかりと確認しておきましょう。なぜなら後述するようにこのボールは直接目で見ないで拾わなければならないからです。

右手のボールを普通にカスケードを始める時のように投げます。次の瞬間、空になった右手は床の上のボールを拾いにいきます。ただしこのとき目線は今投げたばかりのボールを追いかけます。つまり床の上のボールは目で見ないで拾いにいかなければなりません。左手からボールを投げるのと、右手がボールを拾い上げるのがほぼ同時になるようにするといいでしょう。最後に拾い上げたボールを投げて、カスケードが始まります。

上は静止状態からのスタートでしたが、動いている状態から始める事もできます。上と同じ初期状態から2個のボールで3ボールカスケードを行ないます。つまり穴が1つ開いた状態でカスケードを行なうのです(ギャップパターンといいます)。このとき両手に交互にボールを持っていない瞬間がやってきます。ですから右手にボールを持っていない状態がきたときにすかさず床の上のボールを拾い上げ、3ボールカスケードを始めるのです。

両膝の前に1個ずつボールを置き、手に1個ボールを持った状態から上と同じ要領で2個のピックアップを始めるも簡単です。右手からボールを投げると同時に左手がボールを拾い、左手がボールを投げると同時に右手がボールを拾います。

◇4ボール以上のパターンのピックアップ

同じ原理でピックアップから4ボール以上のパターンを始める事もできます。基本的に覚えておいて欲しいのは、パターンをスタートさせるのは必ずボールを拾うべき手であるということです。右手でボールを拾いたい場合は右手からパターンをスタートさせます。

4ボールファウンテンのスタートを静止状態から行って見ましょう。右膝の前にボールをおき、右手に1つのボール、左手に2つのボールを持ちます。右手でボールを拾うのですからパターンは右手からスタートします。右手のボールを投げたらすかさず右手は床の上のボールを取りにいきます。3ボールの時と同様に拾うべきボールは直接目で見ることはできません。左手のボールを投げ上げるのと右手がボールを拾うのがほぼ同じタイミングになるようにするといいでしょう。あとは通常のファウンテン同様、右左交互にボールを投げていれば自然に4ボールファウンテンが始まっていることに気付くでしょう。

さらに面白いのはこのスタートを3ボールカスケードから行なってみる事です。パターンを止めることなく3ボールカスケードから1つのボールを拾い上げ、4ボールファウンテンにします。右手からボールを拾う場合、パターンをリードするのは右手からのスローです。右手から4ボールファウンテンの投げ方をし、あとは上と同様の動きになります。このようにパターンを止めないでボールの数を増やしていく事をビルドアップ(Build up)ということがあります。

5ボールカスケードのピックアップも基本的には全く同じです。両手に2つずつ持っている状態で右から投げ始めます。上と同様に4ボールファウンテンからピックアップを行なう事も可能です。

2個のボールをピックアップして3ボールカスケードから5ボールカスケードにすることもできます。両膝の前に2つボールを置き、3ボールカスケードをします。右手から5ボールカスケードを始めます。次に左手がボールを投げたらすかさず左手は床のボールを拾いに動きます。続いて右手からボールを投げたら同様に右手は床のボールを拾いに動きます。あとは5ボールカスケードを続けるだけです。

■キックアップ(Kick Up)

キックアップは床の上のボールを足を使って蹴り上げてパターンをスタートさせるトリックです。このトリックを習得する最大のメリットは、ボールを落とした時にそれをさりげなく足で拾ってパターンを復元する事ができることでしょう。うまく行なうと失敗を補って余りあるインパクトを見ている人に与えることができます。"失敗したのではなくてこのトリックがやりたくてわざと落としたんだよ"という表情でさりげなくおこなうのが最大のコツです(但し2回以上は使えない手ですからご注意を)。

キックアップには2通りあります。両足で跳ね上げる方法と、足の甲からボールを持上げる方法です。

◇キックアップ1

ボールを両足の間(かかと付近)にはさみます。この状態で足を後ろ向きに跳ね上げます。うまく行なうとボールは頭の上を越え、前方にやってきます。これをキャッチしてカスケードをスタートします。ボールをリリースするタイミングを掴むのが難しいものです。早すぎると後方に飛んでいきますし、遅すぎると背中や頭にぶつかります。このタイミングは何度もやってみて体で覚えていきましょう。

ボールを真上に跳ね上げるのが難しいと感じる人は、足を心持ち横向きに跳ね上げ、ボールが肩の横から前方に飛ぶようにしたほうがより簡単に思えるはずです。

◇キックアップ2

ボールを足の甲に乗せ、それを蹴り上げる方法です。蹴り上げると言うよりむしろ持上げるという感覚になるでしょう。前者の方法よりははるかに簡単なものです。床の上にボールがある状態から両足を使ってボールを片方の足の甲の上に乗せます。そうしたら足を持上げるようにして軽く空中にボールを放り上げます。

この方法は足の上のボールを直接目で見ないでも行なう事ができます。このときはボールを空中に蹴り上げると言うよりも、足の甲の上のボールを持上げ直接手でキャッチするというイメージで行ないます。手は下に伸ばしボールを取るべく待ち構えます。その手の中にボールが収まるように、足でうまくボールを持上げるのです。この方法を使えば3ボールカスケードから(パターンをとめることなく)4ボールファウンテンにしたり、4ボールファウンテンから5ボールカスケードにすることもできます。その原理はピックアップで説明したのと全く同じです。


キックアップのいくつかのアイデアです。

◇マルティプルキックアップ(Multiple Kick Up)

2個のボールを両足の間にはさんで同時に後ろに蹴り上げ、カスケードを始めてみましょう。2個がばらけずに一定の場所に上がるようになれば、それをキャッチするのは全く難しくありません。もちろんそれができたら3個同時のキックアップにも挑戦してみてください。

このようなアイデアはどうでしょう。キックアップ2の方法を両足で行なってみましょう。2つのボールを両足の甲の上におき、手には1個のボールを持ちます。1個のボールを高く投げ上げ、両足で膝を抱え込むようにジャンプします。両手で足の上のボールを同時にキャッチし、そこからカスケードを復元させます。もちろんこの方法で、4ボールファウンテンや5ボールカスケードを始める事も可能でしょう。

◇前転

両足の間にボールをはさみ、床の上で前転してその反動でボールを上に跳ね上げるという技もあります。立ち上がってカスケードを始めてもいいですし、上級者ならそのまま床の上に寝転んだ状態でカスケードを始めることもできるでしょう(オーバーザヘッドの技術を使います)。同じことを後転や側転、宙返りをして行なう事もできるでしょう。見た目のインパクトは絶大です。

■保持状態からのスタート

体のいろいろな場所にボールを保持して静止した状態からパターンをスタートしたり、ビルドアップしていくのも面白いアイデアです。基本的には上で述べたピックアップの技術がそのまま使えます。ボールを体で保持する方法としては§5 キャッチで述べたプレイスメントやトラップの項を参照してください。

◇ネックキャッチからのスタート

両手にボールを1つ持ち、最後のボールをネックキャッチの状態で保持します。ここからパターンをスタートさせる方法についてはすでにいくつか解説しています。

1つは頭を使ってボールを真上に跳ね上げる方法です。頭を軽く下げ、ボールが後頭部と転がり始めたら、するどく頭を上に跳ね上げます。タイミングが正しければボールはきれいに真上に跳ね上げられます。それを受け取ってパターンをスタートさせます。

もう1つの(より簡単な)方法は背中の後ろにボールを転がし、ボールを腰の位置でキャッチする方法です。状態を起こし、ボールが背中の後ろを転がり始めたら右手のボールをカスケードを始める時のように投げます。この右手はすかさず背中の後ろに回り、転がってくるボールをキャッチします。これでカスケードが復元されます。

ピックアップと同じ要領でネックキャッチからのビルドアップを行なう事ができます。。1つのボールをネックキャッチの状態で保持し、3ボールカスケードをします。ここからパターンを止めないで4ボールファウンテンにしてみましょう。さらに発展させて4ボールファウンテンから5ボールカスケードにしてみましょう。これには後者の方法が有用でしょう。もちろん前者の方法でも不可能ではありません。是非試してみましょう。

◇フォアヘッドキャッチからのスタート

これも1つのアイデアです。両手に1つずつボールを持ち、最後のボールを頭の上に静止させた状態(フォアヘッドキャッチ)で保持します。この状態からカスケードをスタートさせてみましょう。右手のボールを投げたら、その右手で頭の上のボールを拾いにいきます(ピックアップの要領です)。または頭を傾けてボールを重力ですべり落とし、そこからカスケードを始めてもいいでしょう。

ここからのビルドアップも大変面白いトリックです。まず1つのボールを頭に乗せたままカスケードをします(これだけでも十分に難しい技です)。ここから4ボールファウンテンを始めてみましょう。さらに発展させて4ボールファウンテンから5ボールカスケードを始めてみましょう。

◇その他の保持からのスタート

上に代表的な2つの保持からのスタートを解説しましたが、他の保持方法にも上に書いたアイデアはそのまま適用できます。わき(アームトラップ)、あご(チントラップ)、又の間などあらゆる場所にボールをはさんだ状態からパターンをスタートさせたり、ビルドアップをしたりしてみましょう。


複数の場所でボールを同時に保持した状態から1つずつボールを増やしていくのも面白いアイデアです。例えば1つのボールをネックキャッチ、1つのボールを足の上におき、3ボールカスケードをします。ここから1つずつボールを加えて5ボールカスケードを組み立てて見ましょう。

■その他のスタート

その他のスタートのアイデアを書いておきます。

◇客を使ったスタート

客からボールを投げ入れてもらい、それを受け取ってカスケードを始めるという方法です。これは大道芸のように客がすぐ近くにいるシチュエーションでは大変効果的な方法です。ボールを2つ持った状態で、客にボールを前方から投げいれてもらいます。このボールはできるだけ高く、緩やかな放物線を描くように投げてもらいます。投げられたボールをよく見ましょう。ボールを取る直前に右手(もしくは左手)のボールを投げ、その手で飛んできたボールをキャッチします。

前方から飛んでくるボールをキャッチするのはある程度の慣れが必要です。人によってはクローキャッチのように指先を上に向けた状態でキャッチする方がやりやすいと感じるかもしれません。また相手がジャグリングの経験者でない場合は(たいていはそうですが)、ボールはめったに自分の取りやすいところに飛んでくる事はありません。相手の投げるボールの軌道やタイミングに臨機応変に反応できるようになれば怖いもの無しです。

◇跳ね板を使ったスタート

板を使ってボールを跳ね上げるというスタートを見たことがあります。板の下に棒などをはさみ、シーソーのような状態にします。一方の端にボールをおき、もう一方の端を足で勢いよく踏むとボールが上に跳ね上がります。

この原理を使って3つのボールを同時に投げ上げ、3ボールカスケードを始めることができます。うまくボールが飛ぶように板の傾きやボールの配置方法などを研究する必要があります。同じ要領で4ボールファウンテン、5ボールカスケードを始める事も可能です。

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§10-2フィニッシュ(Finish)

■ハイスロー&フィニッシュ

フィニッシュの最も基本的な型は、ボールを高く投げ上げ、それをキャッチしてフィニッシュするというものです。このリズムが人間にとってとても心地よく感じてしまうのです。ちょうどバンドが曲を終わる時に音を長く伸ばし最後にドラムが大きな音をたてて締めくくるという印象です。このフィニッシュは手順のグランドフィナーレとして最も使われます。

最後のボールを高く投げ、2つのボールを片手に集めます。高く投げたボールを空になった手でキャッチしてフィニッシュしましょう。フィニッシュの時は完全に体の動きが静止する瞬間を作ると効果的です。静止する姿勢も格好よく見えるようにいろいろと工夫してみましょう。例えば手を真上に伸ばした状態でキャッチする、体をかがめ片膝を立てるなどです。ボールを取る手とは反対側の手を真上に高く伸ばしたり、腰に当てたりするのも面白い決めポーズになるでしょう。

最後のボールを体のいろいろな部分で取ることでフィニッシュのいろいろなバリエーションを作る事ができます。例えば体の後ろ、足の下などでキャッチしてみましょう。

キャッチの節で解説したさまざまなキャッチ方法はもちろんすべてフィニッシュにも適用する事ができます。ネックキャッチ、ペンギンキャッチ、フォアヘッドキャッチ、フットキャッチ、チントラップなどはすべてパターンをストップするのに効果的な方法です。これに関してはキャッチの節を参照してください。

キャッチする前に体の動きをいれてみるのも面白いアイデアでしょう。ピルエットはフィニッシュには頻繁に用いられるものです。ボールを高く投げ、ダブルでもトリプルでも思う存分回転をして、最後のボールをキャッチしてみましょう。そのほかにも側転や前転、バック宙など最後を飾るにふさわしいものです。

上に書いたアイデアを組み合わせる事も当然可能です。下に書いたのはフィニッシュに使えるいくつかの面白いアイデアです。

ボールを高く投げ、両手に1個ずつボールを持ったまま、手を体の横から頭の上に左右対称に大きく円を描くように回します。その手は頭の真上で組み合わされ、そこで落ちてくるボールをキャッチします。全ての動きがキャッチの瞬間にぴたりと止まる鮮やかなフィニッシュです。

1個のボールを高く投げたら、2個のボールを両手に持ったまま腕を組みます。組んだ腕の中央で最後のボールをキャッチしてみましょう。簡単で効果的なフィニッシュです。

そのほかにも両手を使ったフィニッシュのアイデアとして次のようなものがあります。両手でボールをキャッチし、両手の人差し指と中指をフォークキャッチの要領で伸ばします。両手の中指と人差し指同士を合わせ、ひし形の空間を作ります。その部分で最後のボールをキャッチしてみましょう。また手を体の前で×印を書くようにクロスさせ、両手の甲でボールをはさんでキャッチすることもできます。

足を使ったフィニッシュのアイデアです。最後のボールを両膝の間でキャッチしてみましょう。または片足の膝の裏側でキャッチしてみましょう。

これも簡単でユニークなフィニッシュです。1個のボールを高く投げる代わりにあごの中央ではさみます(チントラップ)。残ったボールを両手で持ち、両方の目にあてます。まるで宇宙人のような滑稽な表情になり、観客の笑いを誘います。

これはコツを掴むまでは大変難しい技です。投げたボールを体の後ろで、しかも又の間からキャッチします。ボールを心持ち背中の後ろ側に投げ、タイミングを見計らって体を前に折り、手を又の下から突き出します。タイミングと投げる場所が正しければ手にボールがぴったりと収まります(逆にどちらか一方でも間違えば、ボールをキャッチする事はまずできません)。感覚だけが頼りです。何度も試みてその感覚を掴みましょう。

■スタック

これは片手に全てのボールを集めて終わるというフィニッシュです。このフィニッシュは前回の方法とは違い、突然パターンが止まってしまう意外性を持っています。ボールが流れるように片手に次々と集まっていき、いつの間にかパターンがストップするという印象です。片手に次々とボールが積み重なるのでこの教本ではこのフィニッシュをスタック(Stack)と呼ぶことにします。スタックは前の項で述べた3ボールスタートのポジションになりますので、ここからすぐにパターンを再開することも可能です。

まずは3ボールカスケードからの最も基本的なフィニッシュを練習しましょう。3ボールカスケードを行い、ある瞬間右手はボールを投げるのをストップしますが、左手はいつもと同じようにボールを投げつづけます。結果的に右手に3つのボールが全て集まります。これがスタックというフィニッシュです。

ボールの投げ方をいろいろと工夫してみましょう。3つのボールを足の下、背中の後ろなどと投げ分けると効果的です。またキャッチする方の手もペンギンキャッチやバックキャッチを利用する事でバリエーションは広がります。

2個のボールを片手に集めたら、その手をピンと上に伸ばします。最後のボールを背中の後ろから投げ、伸ばした手でキャッチしてパターンを終わってみましょう。きれいに見せるコツは伸ばした手がほとんど動かないようにする事です。うまく行なうとまるでボールの方が手の中に吸い込まれていくような錯覚を起こします。

最後のボールにボディーバウンスを用いるのも効果的です。最後のボールを投げたら、それを手の関節の内側で軽くバウンスさせて同じ手でキャッチしてみましょう。膝のバウンス(ニーバウンス)や頭のバウンス(ヘッドバウンス)も効果的でしょう。

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ボールジャグリング教本 第2章 ボールジャグリングの基本トリック
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