
この節ではボールを体の各部でバウンスさせたり、跳ね上げたりするトリックを取り上げます。
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| §6-0 | イントロダクション |
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今までの節ですでにボールのスローとキャッチは説明しました。この節で紹介するボディーバウンス(Body Bounce)というのはボールを足で蹴り上げたり、手で跳ね上げたりしてボールの進行方向を変えるようなトリックです。このトリックはキャッチであり、同時にスローでもあります。もしくは両方の中間に属するようなトリックということもできます。
(補足)バウンスというと物体の運動方向が急激に変わるようなものを指すのが普通ですが、ボールの軌道を体を使って滑らかに変化させてあげるようなものもここでは(広い意味で)バウンスととらえます。
バウンスは難しいトリックではありませんが、あなたを「ジャグリングがうまい人」から「ジャグリングがものすごくうまい人」に(少なくとも見た目には)変えてくれる効果的なスパイスとなります。体にボールがあたって跳ね返るのは見ている人にとっては偶発的な出来事、もしくは失敗のように見えます。しかし次の瞬間、演者は何事も無かったかのようにジャグリングを続けていき、そこで観客はバウンスが完全にコントロールされている事を知るのです。このインパクトは大変強烈で、見ている人の反応にしばしばやっている人のほうが驚かされます。
物体の運動方向を変化させるには、一般的に強い力を物体に与えなければなりません。そのためにはまるで野球選手がバットを大きく振りかぶってボールを打ち返すように、体を大きく動かさなければならないと思っている人は多いようです。しかしほんの小さな動きでも的確なタイミングで瞬間的に力が加わればボールの動きを大きく変化させる事ができます。熟練した人はほんの少し手を動かすだけで、信じられないほど高くボールを跳ね返すことができます。大切なのは動きや力の大きさではなく、瞬間的なすばやい動作です。
ボディーバウンスはボールの持つ弾性を使うわけではないので(もちろんそれを使うトリックもありますが)、ビーンバッグのようなやわらかいボールであっても行なう事ができます。むしろボールの飛ぶ方向をコントロールするのは弾性のないボールの方がやりやすく感じるでしょう。
| §6-1 | 手のバウンス |
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手でボールをキャッチする代わりに、腕や指を使ってボールをはじくトリックです。手のいろいろな部分でのボールのバウンスについて観察してみましょう。手でのバウンスは手首、肘、肩の3つの関節の動きによって制御されます。
手の指を軽く閉じ、人差し指と中指を伸ばします。この2つの指先で飛んでくるボールをはじき返します。これはフリックオフ(Flick Off)とも呼ばれます。力を加えるのは手首のすばやい返しです。手をすこし上げ、手首を内側にひねるとちょうどピンボールのアームがボールを跳ね返しているような形になります。尚、バウンスをさせずにこの場所で静止させるとフォークキャッチ(Fork Catch)というトリックになります。(前節参照)
この部分は最も高くボールを跳ね上げる事ができるポイントです。肘を曲げた状態からすばやく伸ばす事でボールに強い力を与えることができます(もちろんタイミングがあえばですが)。関節に近い部分ほど大きな力が加わります。野球やテニスをやったことがある人なら、右手に持ったボールを肘で跳ね上げて、再び右手にキャッチするという手遊びをしたことがあるかもしれません。
手を力こぶを作る時のように曲げ、肘を前に向けます。この状態で腕の外側の部分でボールを跳ね上げます。このときは前腕部は固定させて、上腕部を動かしてボールに力を与えます。(それほど大きな力はかけられません。)
自分の隣の人に肘うちを食らわす時のように肘を外に突き出します。この状態でボールを肘(の横側)でバウンスさせます。このとき瞬間的に肘を上に引っ張り上げるようにします。
手を硬く握り、甲やナックルでボールをバウンスさせます。凹凸の大きな部分なので正確に真上にボールをコントロールするのは少し難しいでしょう。
カスケードから手のバウンスを挿入してみましょう。これは次のように行ないます。(説明のため右手でバウンスをすると仮定します。)
通常のカスケードを行ないます。
左手でボールを投げたら、右手はボールを持ったままで飛んでくるボールを左側に跳ね返します(ここで上に書いたバウンスのテクニックを使いましょう)。つまり右に飛んできたボールは右手でキャッチされる事なく、とんぼ返りで左側に送還されるのです。
左手からボールを投げてカスケードに戻ります。
想像するほど難しいものではありません。しかしこのトリックはやっている感覚以上に見ている人にはインパクトを与えるものです。上の4種類のバウンスをすべて練習してみましょう。もちろん右手でも左手でも同様のことができるようにしましょう。
これらのバウンスは連続的に行なったり、組み合わせて使ったりすることによって大きな効果を生み出します。
左手は常にボールを投げ、右手は常にバウンスを続けます。このとき結果的にジャグリングされているボールは2個だけです。なぜなら1個のボールは常に右手の中に握られているからです。それにも関わらず大変効果的なトリックです。
いろいろなパターンで試してみましょう
これは素晴らしいジャグリングパターンです。上で解説したのと同じ原理で、1回ごとに手の異なる場所でバウンスさせて見ましょう。このとき
腕の内側→指→腕の外側
とポジションを替えると手が円を描くように滑らかに回転します。この動きがもたらす効果は絶大です。このパターンを習得して実際に観客の前で演じてみればおそらくその意味がわかるでしょう。見ている客はまさか1つのボールは右手に握られたままでジャグリングされていないということなど思いもしません。
ボールを垂直上方向にバウンスさせます。このボールを連続的に同じ手でバウンスし続けます。これによってカスケードのパターンはストップし、客の注意はこのバウンスされているボールに集まります。ある程度続けたら、再びカスケードに戻りましょう。
腕の内側がおそらく最もこのトリックをするのに適しています。腕の内側でバウンスを続けるとまるで手がフェンシングの剣士がやるように小刻みに振動します。熟練したジャグラーはこのバウンスを徐々に小さくし、最終的に肘の関節の部分でボールを静止させる事ができます。
| §6-2 | 足のバウンス |
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このタイプのバウンスが最も得意なのはやはりサッカー選手でしょう。プロのサッカー選手は足で物を扱うことにかけては専門家です。おそらくどの方向にどのくらいの力を加えればボールがどちらに飛ぶのかという事をすべて把握しているはずです。彼らがよく練習の合間に足でボールを自由自在に操って遊んでいるのを見かけますが、あれをそのままステージの上でやれば立派にショーとして成立しそうだと感心させられます。
太ももでボールを跳ね上げる技術です。サッカーを練習した人がある人なら誰でもボールを太ももで交互につく練習をしたことがあるでしょう。そういう人にとってはこのトリックはとても簡単に思えるはずです。
まずは1個のボールを膝で正確に真上に蹴り上げる事ができるように練習をしましょう。右手でボールを軽く投げ、このボールを右ひざでバウンスさせ、再び右手でキャッチします。同じことを手や膝を変えて行なってみましょう。膝の中央でボールを捕らえないとボールは予期せぬ方向に飛んでいくでしょう。
膝の角度やバウンスさせる場所を変えることで、跳ね返る方向をコントロールできるようにしてみましょう。右方向、左方向、前後にと意図的にボールを蹴るトレーニングをしましょう。
カスケードからボールを投げ、それをキャッチする代わりに膝でバウンスさせ、再びボールをカスケードに戻します。これを涼しい顔で決めれば、見ている人はとてもビックリします。
慣れてきたらニーバウンスの回数を増やしてみてもいいでしょう。カスケードからボールを投げ、それを左右の膝で2回、3回交互にバウンスさせてから、カスケードを復活させます。このときカスケードはしばらくの間ストップし、客の視線はバウンスされているボールに集中されます。
ボールを足の甲でバウンスさせます。これもサッカーのリフティングではおなじみのものです。熟練した人なら同じ足で連続的にボールをついたり、左右交互にボールをつくこともできます。尚、この部分でボールをバウンスさせずに静止させると(こちらの方が難易度は高いです)、フットキャッチ(Foot Catch)というトリックになります。(前節を参照)
ニーバウンスと同様、まずは1個のボールだけを使って、これを正確に1回だけ真上にバウンスさせる練習をしましょう。このとき注意したいのは膝を曲げることによってボールを蹴ろうとしないということです。足首を固定させ膝を伸ばし、足全体の動きでボールを蹴るのが安定させるポイントです。慣れてくればボールが動く方向も自由にコントロールできるように練習しましょう。右手でボールを投げ、それを足で蹴って、再び右手に戻ってくるようにコントロールしてみましょう。
ニーバウンスと全く同じです。カスケードからボールを少し前方に投げ、ボールを足でけって、再びカスケードに戻します。
演出次第では次のように見せることもできます。カスケードをしていてうっかりボールをあらぬ方向に投げてしまいます。誰もがボールを落としたと思った瞬間、演者は足を伸ばしボールを蹴り上げ、何食わぬ顔でカスケードに戻るのです。見ている客は非常に感銘をうけるでしょう。
もしあなたが足技のエキスパートであれば、これらの足バウンスを組み合わせる事もできるでしょう。例えばカスケードからボールを膝めがけて落とします。膝を上げ、ニーバウンスでボールを少し前方に跳ね上げます。同時にその足を伸ばし、前方に飛んだボールをフットバウンスで体の方向に蹴り返します。そしてカスケードに戻るのです。スムーズに行なうと足を曲げて伸ばす一連の動作の中でボールが2回バウンスしてカスケードに戻ってきます。
ニーバウンスやフットバウンスはアンダーザレッグと組み合わせる事ができます。この2つのトリックは足の動きだけ見れば全く同じだからです。左手からボールを投げ、このボールを右ひざでニーバウンスします。このボールは右手の方向に跳ねさせなければなりません。同時に右手は右ひざの下に動き、アンダーザレッグでボールを左に投げます。2つのトリックが見事に調和すれば、無事カスケードを復元する事ができるはずです。もちろん同じことをフットバウンスで行なう事も可能です。
これはフットバウンスのバリエーションです。
アウトサイドキックは足の外側でボールを蹴るトリックで、膝を曲げて足を体の外側に蹴り出します
インサイドキックは足の内側でボールを蹴るトリックで、膝を曲げて足を体の内側に蹴り入れます。
これは背後に投げたボールを足の裏側でキックして前方に戻すものです。最初このキックを見たときは、とても人間業とは思えませんでした。ボールを直接見ることはできませんから、頼るのは感覚のみです。信じる力とたゆまぬ努力がこの不可能なトリックを可能にします。
ヒントを1つだけ。ボールと足の裏があたる時、足の裏の面は完全に水平でなければなりません。この角度が水平ではないとボールが後方に飛んでいったり、背中に直接あたったりします。
| §6-3 | 頭のバウンス |
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頭というのは腕や足のように瞬間的なすばやい動作には向いていません。そのような性質上、頭でのバウンスは弾性のあるボールを使わなければ難しいものです。うそだと思ったら試しにビーンバッグを頭でバウンスさせようとしてみてください。
頭で物を扱うのもサッカー選手の得意とするところでしょう。サッカー選手はヘディングをする時は必ずおでこを使います。なぜならこの位置が顔の最も平らな部分であり、ボールのコントロールに適しているからです。
1個のボールを軽く投げ上げ(あまり高く投げると脳震盪をおこしてしまうかもしれません)、この部分でボールを真上に跳ね上げる練習をしましょう。ジャグリングで使うボールはサッカーボールよりはるかに小さいので正確にボールを跳ね上げるのはかなり難しいことです。
次にカスケードから少し高めにボールを投げ、おでこでボールを1回バウンスさせて、再びカスケードに戻って見ましょう。
例によって2回、3回と繰り返しヘッドバウンスを続けてみるのも面白いでしょう。これは非常に高度な技術です。さらに熟練した人はヘッドバウンスの高さを徐々に低くしていき、おでこの位置で静止させることができます(前節のフォアヘッドキャッチ(Forehead Catch)を参照してください)。ウルトラC級の技です。
| §6-4 | 胴のバウンス |
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ボールを胸やお腹に当ててバウンスさせるトリックです。お腹は弾力のある部分なのでバウンスというよりもむしろ、当ててすべり落とすという感じになるでしょう。
ボールをお腹に軽く当てます(咳き込まない程度にしてください)。ボールは勢いがお腹で吸収され、おへその方向に落下します。そのボールを反対の手でキャッチします。これをカスケードの中から行なってみましょう。
お腹のバウンスを両手で連続的に挿入するのは面白いトリックです。このトリックはボールの軌道をお腹で"感じる"ことができるので、直接目で見なくてもジャグリングする事ができます。また横から見たときにボールが円軌道を描いているようにするといっそうきれいに見えます。
上と同じことを背中で行って見ましょう。もちろん左右連続も可能です(多分・・・)。
