
この章に関係のある事柄で本文中では触れられなかったことをお話します。
| Index | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
|
| §6-0 | 投げる高さとリズム |
|---|
| §6-1 | リバース |
|---|
| §6-2 | ナンバーズ |
|---|
ジャグリングの難易度を上げる方法は2つあります。1つはジャグリングのスタイルを変えることです。ボールを足の下や、背中の後ろから投げたり、寝転んでジャグリングをしたり、バウンスさせたりとそのバリエーションは無限にあります。3つのボールを使ったジャグリングだけでもそれこそ星の数ほどのトリックやパターンが考えられているのはご存知の通りです。しかしもう1つ重要な、そしてある意味非常に明快なアプローチを忘れてはいけません。それはもちろん…ボールの数を増やす事です。
ジャグラーは1つでも多くのボールをジャグリングしたいという欲求を本能的に持っているものです。「一体いくつのボールをジャグリングできるのか」というのはジャグラーのみならず一般の人にとっても大きな関心ごとでしょう。(実際一般の人から最もよくされる質問の1つはこれです。)多くのボールをジャグリングできることが優れたジャグラーである証ではありませんし、3つのボールを使ったトリックだけでも客を興奮させるパフォーマンスをすることは可能です。そんなことは誰もが分かっています。しかしそれは理屈ではないのです。それはジャグラーの内面から湧き上がる根源的な欲望です。この麻薬に取り付かれたジャグラーたちは毎日毎日たくさんのボールを空中に投げては落とすという作業を(まさしく作業です)繰り返すのです。
ジャグリングのスタイルは一切無視し、とにかくいくつの物体をどれだけ長い間ジャグリングできるかという点のみに注目した競技をナンバーズ(Numbers)といいます。この競技では定められた個数のボールを一体何回キャッチできたかを数えます。(何回投げることができたかではありません。ボールを投げるだけでいいなら誰にでもジャグリングはできてしまいます。)このときジャグリングのスタイル、つまりどのように投げ、どのようにキャッチするかは問題にされません。(ただしボールは1個ずつ受け取られ、1個ずつ投げられる必要があります。2つ以上のボールを投げるようないわゆるマルティプレックスは認められません。)当然基本的なパターンが最もやりやすいわけですから奇数個のボールならカスケード、偶数個のボールならファウンテンをする事になるわけです。(シャワーだけはナンバーズの中で別格に扱われ、単独の種目として存在します。)
何をもってジャグリングとみなすかという事に関してもいくつかの規定があります。ナンバーズジャグラーが目指す最初の到達点は、持っているボールの数と同じだけのキャッチをする事です。これをフラッシュ(Flash)といいます。例えば7個のボールを両手に持ち、それを全て投げ上げ、全てを両手に集めて終われば(つまり7キャッチすれば)7ボールフラッシュの成功とみなされます。しかしこれではまだまだ本当のジャグリングとはいえません。特にジャグラーでない人にとってはフラッシュはそれほど印象的なものではないようです。ナンバーズの定義に従えばジャグリング(juggle)とは持っているボールの数の2倍以上のキャッチを必要とします。つまり7つのボールなら14キャッチ以上してはじめてジャグリングとみなされるという事です。確かにこれだけ続けば見た目にもちゃんとジャグリングしているように見えます。これはナンバーズジャグラーにとっての2つ目の到達点です。もちろん真のナンバーズの到達点は永久にボールをジャグリングし続けることですが。
