
5つのボールをジャグリングする事は全てのジャグラーの夢でもあります。ここでは5ボール習得のアプローチを技術面、精神面の両方の観点から解説します。
| Index | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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| §4-0 | イントロダクション |
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Q 5ボールカスケードを習得する上で大切なことはなんですか?
A まずは他人の5ボールカスケードをよく見て、そのイメージを頭にしっかり他叩き込むことです。これは2番目に大切な事です。
Q では1番大切なことは何ですか?
A 自分も同じことができると信じる事です。
“5ボールカスケード”を習得する事は多くのジャグラーにとっての1つの到達点であることは間違いないでしょう。このトリックを征服したとき誰もが何か偉大なことをやり遂げた達成感を感じるものです。初めて5ボールカスケードを目の当たりにしたときの印象は今でも忘れる事ができません。まるで魔法のように手から次々にボールが溢れ出し、5個のボールが空中に規則正しい軌道を描く様子は、何度見ても感動を覚えてしまいます。
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図1 |
|---|---|
5ボールカスケード多くのジャグラーの憧れの的です。
軌道は3ボールカスケードと同様左右にクロスしています。 |
しかし正直言って僕は数年前まで自分が5ボールカスケードをできるようになるなどとは夢にも思っていませんでした。それをマスターするにはきっと幼いころからの地道なトレーニングが必要なのであって、今からやってもできるはずがないと最初からあきらめていたのです。
しかしとあるジャグラーの集まりに参加する機会があり(それが自分以外のジャグラーと出合った最初の機会でした)、そこで数人の人が軽々と5ボールカスケードをしているのを目の当たりにして衝撃を受けたのです。そこで上級者の話を聞き、適切な指導のもと練習してみて、「自分も必ずできるようになる」という感触を得ました。
それからしばらくはまるで何かに取り付かれたかのように練習を続けました。電車に乗っている間も5つのボールが頭の中で回っていたほどです。そしてある時、全くバラバラだった空中のボールが次第に整然とした軌道を描いてきたのです。5ボールカスケードを初めて僕の体が“感じる事ができた”瞬間でした。ゆっくりとしかし確実に軌道は安定し始め、10回、20回、そしてついには何100回でも5ボールカスケードを続けられるようになったのです。
これから5ボールカスケードの解説を書いていこうと思うのですが、
ということははっきり断っておくべきでしょう。
解説を読んだからといって、間違っても1週間やそこらで習得できるものとは思わないことです。どんな人でもこの偉大なトリックを習得するためには何ヶ月もの地道な練習をしなければならないのです。しかし同時に
と断言しておきましょう。年齢や才能は一切関係ありません。必要なのは適切な練習法と、なによりたゆまぬ努力です。僕もジャグリングを練習し始めてそんなに長いわけではありませんが、その短い中でもはっきり感じた事はジャグリングを上達させる原動力は、使い古された言葉かもしれませんが、「絶対にできるようになってやる」という強い信念だということです。
精神論のように聞こえるかもしれませんが、事実5ボールカスケードの習得にはメンタルな要素が非常に大きいのです。5ボールカスケードの技術的な解説だけならほんの数行で書くことができます。しかしそれだけでは不十分です。5ボールカスケードの練習はほとんどが失敗の連続、最初の数週間は1個のボールもキャッチできないなんてことは当たり前です。そんな中でいかに自分のモティベーションを高め、練習を続けていくか、それこそが5ボール習得の最も難しいところなのです。
5ボールなんて難しすぎるとはじめからあきらめている人、何度か挑戦したけどそのたびに挫折してきた人。ぜひこの教本を読んで練習してください。ある日必ず訪れる5ボールカスケード達成の実感は本当に素晴らしいものです。1人でも多くの方がその瞬間を味わえることを願っています。
| §4-1 | 何故5ボールは難しいのか |
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Q.5ボールはどれほど難しいものなのですが。
A.例えて言うなら生まれたばかりの赤ん坊が立って歩くのを覚えるのと同じくらい難しい事です。
Q.それはすごく難しいですね。
A.そうでしょうね。でもあなたは今何も考えなくてもそんなことはできるじゃないですか。
5ボールの解説に入っていく前に何故5ボールカスケードはそれほど難しいのか(もしくは難しく感じるのか)ということを考えておきましょう。
まず3ボールカスケードも5ボールカスケードも全てのボールを反対の手に同じ高さに投げている事に変わりはありません。しかし5ボールカスケードの方がボールを高く、そして速いリズムで投げている事に気づきます。5ボールをジャグリングすることは明らかに3ボールに比べて多くの運動量を要しますから、1つ目の問題点としてこの肉体的なハードさが挙げられます。しかし実を言えばこれは5ボールカスケードの難しさの本質的な部分ではありません。なぜなら安定した5ボールカスケードというのは3ボールカスケードと同様、続けるのにほとんど余分な力を必要としないからです。例えるならそれは歩いているかジョギングをしているか程度の違いでしかありません。ですから年齢や体力は5ボールジャグリングができない正当な理由にはあたりません。
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図2 |
|---|---|
3ボールカスケードと5ボールカスケード
3ボールカスケードと5ボールカスケードの共通点と相違点をよく観察してみてください。どちらも軌道が中央でクロスしています。但し5ボールカスケードの方が3ボールより約4倍ほどボールを高く投げています。
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最大の問題はボールの高さと投げるリズムが3ボールカスケードにくらべてはるかに正確さを必要とするということにあるのです。
それはどうしてでしょう。たとえば3ボールカスケードならボールをとりそこなってしまったとき、その原因は直前のスローにあることは明白です。直前のスローが高すぎたのかもしれませんし、すこし前方に投げすぎたのかもしれません。それが分かればそのスローを少し改善してあげればうまくいくようになるでしょう。また多少変な投げ方をしてしまっても、次のスローを修整してあげたり、しばらくボールを持って待っている間を作ることでカスケードを立て直すこともできます。原因と結果が直結しているため、多少のミスは頭で考えてカバーする事ができるのです。
しかし困った事に5ボールカスケードの場合、ボールを取り損なってしまったとき、その原因は直前のスローではなく、2つ前のスローなのです。このようにボールの数が増えれば増えるほど、ボールを投げる事とボールをキャッチする事の間にタイムラグが生じてきます。5ボールを難しいトリックにしている大きな原因の1つがこのタイムラグです。これにより失敗の原因を把握する事が極めて難しくなります。また頭で考えてミスを修正することなどほとんど不可能です。
全てのボールを正確に同じ高さに同じリズムで投げなければならないというのは、ジャグリングの基本パターンに共通にいえることです。しかし3ボールカスケードと5ボールカスケードではその正確さの度合いが全く違うのです。初心者の3ボールカスケードがそれほど高さやリズムが安定しなくても続くのは、まだ頭の中で考えながら修整する余裕があるからです。例えて言えば20投中、4,5投の失投があっても問題ないのです。しかし5ボールカスケードを20回続けたかったら20投中20投を100%正確に投げなければいけません。
5ボールカスケードに限らずあらゆるジャグリングトリックを習得するための最大のポイントは"ボールを正しく投げる事"を覚えることにあります。当たり前のようですが、多くの人が見落としている重要なポイントです。練習をはじめたばかりの初心者はボールを落とさないようにという意識ばかりが強く働いてしまうからか、ボールをキャッチすることだけに集中してしまいがちだからです。しかしボールが正しく投げられてない限り、ボールをキャッチするのは至難の業ですし、例えキャッチできたとしてもそれは余り意味があることではありません。
これから行っていく練習はすべてボールを正しく投げる事を目的としています。5ボールカスケードのような基本パターンにおいてボールを正しく投げるとは全てのボールを
投げるということを指します。
どうしてもボールをキャッチする事ができないとき、それはボールのキャッチの仕方に問題があるからではなく、ボールの投げ方に問題があるからなのです。逆にいえばボールを正しく投げる事ができれば、キャッチはなにも考えずとも自然にできるようになるはずなのです。
この言葉をしっかり覚えておいて下さい。
これは意見が分かれるところかもしれませんが、技術的には
と考えます。ですから3ボールカスケードを習得したばかりの初心者がいきなり5ボールカスケードに挑戦しようと考えるのはそれほど無謀なことではないと思います。(不思議な事ですが、4ボールファウンテンはままならないのに、5ボールカスケードを安定してできる人は何人もいます。)5ボールカスケードといえども基本パターンであることに違いはありませんから、とくに特殊な投げ方や技術を必要とするわけではないのです。
しかし個人的には、5ボールの練習を始める前に3ボールや4ボールの簡単なトリックをいくつかはできるようになっておく事を強くお勧めします。もしくは5ボールの練習と並行して他のトリックを練習するようにするとよいでしょう。
その理由の1つは3ボールや4ボールのいくつかのトリックは5ボールの上達に非常に役に立つということがあります。3ボールや4ボールの比較的簡単なトリックの中には5ボールカスケードと同じ高さでボールを投げるものや、同じリズムを持っているものも少なくありません。そのようなトリックを練習する事で体が5ボールの感覚を自然に習得していく事ができるのです。
もう1つの重要な理由はメンタルな面での話です。3ボールカスケードを最初に練習した時はなかなかうまくいかず何度もボールを落としてばかりいたと思います。それと同じ事が5ボールカスケードの習得の過程で起こります。しかも状況は3ボールカスケードの10倍も悪くなります。練習の最初の段階ではほとんどボールを落としては拾うという作業を繰り返さなければならず、ある程度成功の満足感を味わえるようになるためには少なくとも1ヶ月以上の地道な練習を続けなければなりません。その間練習のモティベーションを持ちつづけることは並大抵のことではありません。どんなに忍耐づよい人でも1日中失敗しつづけてストレスがたまらない人はいないでしょう。これではジャグリング自体に対するモティベーションも下がってしまいます。
ですから5ボールカスケードの練習のときは、それだけに全てをかけて打ち込むのではなく、他の3ボールや4ボールの簡単なトリックの練習と並行して行った方がいいのです。5ボールの練習がうまくいかなくても3ボールや4ボールの練習の成功がモティベーションを持続させてくれます。さきほど3ボールや4ボールのトリックが5ボールの上達を促すといいましたが、その逆も真なりです。つまり5ボールカスケードを練習する事によって3ボールや4ボールのトリックの上達が自然に促される事もよくあるのです。これは全く進歩がないと思っても、目に見えないところで自分の技術が常に進歩している事の証拠です。そのような進歩を目の当たりにすれば5ボールカスケードへのモティベーションもますます高まるというものです。
| §4-2 | 基本練習 |
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A 5ボールカスケードを習得する方法を教えてください。
Q 一言で言いましょう。ボールを正しく投げればいいのです。
5ボールカスケードの練習のポイントはボールを正しく投げる事でした。ボールを正しく投げるポイントは
でしたね。
さてこの2つをいきなり意識して練習するのは大変な事です。まず最初に5ボールの適切な高さを両手に覚えさせる事を目標にしましょう。最初のうちは注意点は1つに絞って練習する方がいいのです。
次に挙げるような3ボールのトリックはすでにおなじみのものですが、どれも5ボールカスケードの習得に役に立つ基本的なものです。ただ単にトリックの練習をするのではなく、これが5ボールカスケードとどのように結びつくのかをしっかりと意識しながら練習していく事が大切です。
通常のカスケードを少し高めにボールを投げてやってみましょう。このときボールを落ちてくるのをしばらく待っている間が生じるので、リズムはかなりゆっくりになります。これがスローカスケードです。
ボールを投げる高さは通常カスケードの高さの約4倍くらいを目安にするといいでしょう。これが5ボールカスケードでボールを投げる高さです。この練習の最初の目標は両手が正確に同じ高さにボールを投げることです。
簡単なパターンですが、このパターンが完全に安定してできるようになることは5ボールカスケードの習得にとって非常に大切です。
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図3 |
|---|---|
スローカスケード
すべてのボールが同じ高さにあがる事を意識しながら練習しましょう。
両手はボールを持ったままボールが落ちてくるのを待ちます。 |
通常の3ボールシャワーでボールを投げる高さは、5ボールカスケードとほぼ同じです。よってシャワーを右手でも左手でもできるようにしておくことは5ボールカスケードの高さを両手に覚えさせるよい練習になります。
シャワーは一方方向にしかできない人も多いようです。この機会に利き腕とは反対方向のシャワーをマスターするのも悪くないでしょう。
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図4 |
|---|---|
シャワー
シャワーは左右非対称なパターンなので、左右どちら周りのシャワーも練習しましょう。
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フラッシュというのは3つのボールを連続的に高く投げ上げて、1拍の間手を空にすることです。投げるボールの高さは先ほどの練習のときの高さと大体同じになるようにします。(つまり5ボールカスケードの高さです)最も大切な事は3つのボールが全て同じ高さに投げられる事です。
3ボールカスケードから連続的に右-左-右とボールを少し高めに投げてみましょう。手が一瞬空になるので、ここで1拍待ちます。そのあと左-右-左とボールを受け取ります。ボールをキャッチするリズムをよく聞いてください。等間隔に聞こえていますか。もしこのリズムが等間隔でないならば3つのボールの高さが違うということです。(もしくは等間隔でボールを投げられていないということです。)
さらに練習を効果的にするために手が空になった後、1回手を叩いてみましょう。これはクラップとも呼ばれている技です。
さらにこの練習を反対の手から始める事も忘れないようにしましょう。つまり最初のスローを左手からはじめて、左-右-左と投げるのです。このときも大切なのは全てのボールが等間隔に、同じ高さにあがることです。
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図5 |
|---|---|
3ボールフラッシュ
このときもボールを高く投げるだけでなく、すべてのボールが同じ高さで投げられる事を意識しましょう。
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5ボールカスケードを始めるためには一方の手に3つのボールを持った状態からボールを投げ始めなければなりません。3つのボールを片手に持った状態で、3つのボールを連続的に同じ高さに投げる練習をしてみましょう。
ボールの持ち方は次のとおりです。
1のボールは人差し指と中指で、2のボールは親指で、3のボールは薬指と小指で保持されています。ボールは1,2,3の順番で投げられます。すべてのボールは腕全体の動きで投げます。それぞれの指は投げるべきでないボールが飛んでいかないように保持する役割をしているのです。聞いた印象ほど難しくはありませんのでやってみればすぐにいわんとしていることが理解できるはずです。
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図6 |
|---|---|
3つのボールの持ち方 |
右手から1,2,3と等間隔にボールを左手に投げてみましょう。このとき左手がボールをキャッチする事はひとまず考えず、全てのボールが同じ高さに上がっているかだけを意識してみます。ボールを床に落としてみて、ボールが床を打つリズムを聞いてみるといいでしょう。これが等間隔に聞こえれば合格です。
続いて左手が全てのボールをキャッチする練習もしておきましょう。3つのボールを片手でキャッチする事も最初はなかなか難しいものです。しかしこれは5ボールのフィニッシュではいずれ必要なものなので、今のうちにマスターしておきましょう。最初のボールを手の平で、2個目のボールを親指のあたりで、最後のボールを中指のあたりでキャッチします。(つまり投げた順番と逆の順番でキャッチするのです。)
右手から1,2,3とボールを投げ、左手で1,2,3とボールをキャッチします。リズム的には右手が3のボールを投げるのと、左手が1のボールをキャッチするのがほぼ同時です。
言うまでもなく、ここまでの手順を左右反対でもできるようにしておきましょう。左手から連続的にボールを投げ、右手で全てキャッチします。
| §4-3 | 3つのボールの練習 |
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さてここでは基本練習をさらに発展させた効果的な練習方法を解説していきましょう。今まではボールを同じ高さに等間隔に投げる事だけに注目してきました。しかし等間隔とは言ってもどのくらいの間隔で投げればいいのかは特に意識はしていませんでした。しかし5ボールカスケードの習得にはこれは非常に重要なポイントです。。そう、これからはボールを投げるリズムに注目した練習をしていきます。
ここに挙げられている練習が完璧にできなければ5つのボールを使った練習が始められないと考える必要はありません。なぜならここに解説したいくつかのパターンは必ずしも簡単なものではないからです。ここでの目的はあくまでリズムをつかむ事です。それさえなんとなくつかめればいつでも4つや、5つのボールの練習に進んで見てください。その練習で行き詰まったら再びこの項に戻ってくればいいのです。そうすることでここでの練習の意味が少しずつ分かるようになるはずです。
ここでは3ボールフラッシュのリズムに注目してみましょう。3ボールフラッシュでは3回連続でボールを投げ、1拍の間手が空になります。そして3つのボールを3回連続でキャッチします。つまり
Throw-Throw-Throw-(Wait)-Catch-Catch-Catch
という動作が等間隔で起こることになります。
分かりやすいように静止した状態からフラッシュを投げてみる事にしましょう。右手に2個のボール、左手に1個のボールを持ちます。右手-左手-右手と3連続でボールをフラッシュの高さで投げてみます。ここで1拍の休憩があった後、左手-右手-左手とボールをキャッチしてパターンをストップさせます。同様のことを左手からも行ってみましょう。
ここで大切なのは3つのスロー、3つのキャッチが等間隔で起こるというだけでなく、ThrowとCatchとWait(待機)が全体的な流れとして等間隔で起こるということなのです。たいていの人は全体の流れで見ると(Wait)の時間が長くなりがちです。なぜなら初めのころはボールを少し高く投げた方がやりやすいく感じるからです。ボールを待っている時間が長いと感じたらそれを修正する方法は2つあります。1つはもう少しボールの高さを低くすること、もう1つはボールを投げる間隔を若干長くする事です。どちらを調整するかは自分の最もリラックスしてできるほうを選びましょう。
試行錯誤の結果、自分が最もやりやすく感じる高さとリズムが見つかったでしょうか。この高さとリズムが5ボールカスケードの高さとリズムなのです。何度も繰り返してこのリズムを体に覚えこませましょう。

さて次は少し難しいですがフラッシュを連続的に行う事を考えましょう。これができるようになると5ボールカスケードの感覚にさらに近づきます。右-左-右とボールを投げた後ボールをキャッチしたらカスケードに戻らず、すかさず左-右-左とフラッシュを投げます。ボールをキャッチしたらすぐに次のスローを始める事になります。いきなり連続は難しいですから最初は2回連続でストップ、慣れてきたら徐々に回数を増やしていきます。正しく行うとボールを投げるリズムは
右−左−右−○−左−右−左−○−右−左−右−○−・・・
となります。(○は手が空になっている瞬間です)全体的な流れの中では右左交互にボールを投げるリズムは崩れていない事に注目してください。(サイトスワッパ−のために付け加えればこれは55500というパターンです。)
このパターンは5ボールカスケードから2つのボールを抜いて、3つのボールで行っているようなパターンです。(このようなパターンをギャップパターンと呼びます。)はっきり言ってこのパターンを安定してジャグリングすることは5ボールを安定して行うのと同じくらい難しい事です。ですから最初からこのパターンが安定しないからといって落胆する必要はありません。繰り返すようにこのパターンがうまくいかなくても次のステップに進んで問題ありません。ある程度5つのボールで練習をし始めたら、折に触れてこの練習に戻ってくればいいのです。
手が空になってもそこに想像上のボールがあると思ってそれを投げる振りをしてみてください。5つのボールがこの高さとリズムの中にぴったりと当てはまる雰囲気がつかめたでしょうか。もしつかめたのならあなたは5ボーラーとしての貴重な1歩を踏み出した事になります。
チェイスというのは5ボールカスケードの練習に最適な3ボールの面白いトリックです。5ボールカスケードの軌道の中を3つのボールが追いかけっこをするように動きます。(つまりこれもギャップパターンの1つです。)
基本練習で同じ手に3個のボールを持ってスタートし、反対の手で3個のボールを集めて終わるフィニッシュする練習をしました。ここでやるのはこの練習の発展です。
まずリズムに注目しましょう。3つのボールを右手に持ち、右手から連続的にボールを投げ、すべて左手でキャッチしてパターンをストップさせます。このとき左手が最初に投げたボールをキャッチするタイミングと、最後のボールが右手から投げられるタイミングが同じになるように意識してみます。次に同様のことを左手から行います。つまり左手から3つのボールを連続的に投げ、右手で全てキャッチします。この練習が左手と右手で同等にスムーズにできるように練習してください。
さて、では次にこの2つのセクエンスをパターンをとめることなく、連続的に繰り返してみましょう。右手が3連続でボールを投げます。最後のボールを投げた時、左手は最初に投げたボールをキャッチしてます。すかさず左手はこのボールを右手に投げ返し始めます。タイミングが正しければボールはぶつかることなく中央でクロスします。そのまま3回連続で左手はボールを右手に投げます。キャッチしたボールをすぐに右手に投げかえすのです。全く同様の事が右手で繰り返されます。3つのボールがまるで追いかけあっているように動きます。これがチェイスというパターンです。
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図7 |
|---|---|
チェイス
連続的に繰り返すと3つのボールが追いかけっこをしているようなパターンになります。その様子からスネーク(snake)の別名もあります。
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全体的なリズムは非常に複雑です。
右−右−右左−左−左右−右−右左−左−左−・・・
となります。(手が入れ替わる時のリズムに注意してみてください)
慣れないうちは非常に難しいパターンです。それはこのパターンがもっている独特のリズムによるものです。(タン−タタンというリズムになります。)うまくできなくても気にすることはありません。実は5ボールが比較的安定してできる人でも意外にこのパターンが安定してできる人はいないのです。
最初は1周でパターンをとめてみるといいでしょう。右手に3個持った状態ではじめ、右手に3個持った状態で終わります。それができたら次は左手に3個持った状態ではじめ、左手に3個持った状態で終わります。
これでも少し難しいですか?それなら次のようにチェイスの中の4投だけを練習してみる事にしましょう。これだけでも5ボールカスケードの非常によい練習になります。
右手に2つのボール、左手に1つのボールを持ちます。さてここからカスケードを始めます。そんなの簡単ですか?しかし普通とは少し違います。ここではボールは右手からではなく、左手から投げ始めるのです。(これはジャグラーの本能に逆らう行為です。なぜなら少ない個数のボールを持った手からジャグリングを始める事など普通はありえないからです!)
左手のボールを5ボールカスケードの高さで投げます。すかさず右手のボールを同じ高さで投げます。2つのボールは中央でクロスします。右手は続いて持っているボールを同じ高さに投げ、落ちてくるボールをキャッチします。左手は2つのボールを連続してキャッチしてパターンをストップさせます。投げるリズムは
左−右−(タン)−右
となるはずです。(タンは休憩時間です。このとき左手で想像上のボールを投げてみるといいでしょう。)
の2点に注意してみましょう。
さあいよいよ4つのボールを使った練習です。
| §4-4 | 4つのボールの練習 |
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さてそれではいよいよ4つのボールを使った練習を見ていきましょう。ここに挙げるいくつかの練習は全て5ボールカスケードの基礎となるものです。
ここで繰り返し(しつこいようですが)書いておきますが、4つのボールを使った練習が完全にできなければ5つのボールの練習には進めないとは思わないでください。ここに挙げられているいくつかのパターンは実は安定してジャグリングするのは5ボールカスケードを安定してジャグリングするのと同じくらい難しいものなのです。4つのボールの方が5つのボールより難しいと聞くと変に思うかもしれませんが、不思議な事に確かにそうなのです。
ここで行うのは正しい高さとリズムをつかむトレーニングです。この高さとリズムが正しくない限り、5ボールカスケードは安定する事はありません。しかし5個のボールを投げている時この2つを同時に"意識する"ことはほとんど不可能です。(パラドックスのようですが、上達すればするほどこのようなものを意識する事はなくなります。)3個や4個のボールで5ボールカスケードの練習をするのは、ボールを減らす事でこの2つを意識するための余裕を作るためなのです。
この練習は5ボールカスケードの習得には非常に効果的なものです。ある程度上達しても、5ボールカスケードの練習をする前にはウォーミングアップとしてまずこの練習をすることをお勧めします。
右手と左手に2つずつボールを持ちます。この状態から5ボールカスケードの最初の4投を行ってみましょう。
肩の力を抜いてリラックスして立ちます。両足には均等に体重を乗せては腰のあたりに置いておきます。
まずは右手から
右−左−右−左
と等間隔にボールを投げ、全てのボールをキャッチしてストップしてみます。3ボールでも行ったフラッシュを1つボールを増やしてやっていることになります。もちろん同様のことを左手から行います。
左−右−左−右
です。
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図8 |
|---|---|
4ボールのフラッシュ(Out of 5)
4つのボールを5ボールカスケードの軌道でフラッシュします。
5ボールを練習する前の予備練習になります。 |
ここまでくるとかなり5ボールカスケードの形が見えてくるはずです。全てのボールが同じ高さで安定した軌道で飛んでいるかチェックしてみましょう。空中の左右対称な2つの点をイメージし、4つのボールの軌道の頂点がそこを通るようにします。
大切な事は正しく投げる事です。もしボールを取りそこなったとしてもボールが正しく投げられているなら全く気にすることはありません。練習をはじめたばかりの頃はとりあえず早く手からボールを投げてしまおうという意識が働いて、どうしても3投目、4投目を焦って投げてしまいがちです。もし3投目、4投目が安定しないならとりあえずボールはキャッチすることは忘れて投げる事だけに意識を集中してみるといいでしょう。ボールを一切キャッチしないで地面に落とし、その落ちる音が等間隔になるかどうかをよく聞いてみましょう。投げるリズムは通常考えているよりはずっとゆっくりしているのです。
またこの練習は必ず左右交互に行ってください。左手と右手の投げる癖が違うならこの段階で修整しておくべきです。1人で練習していると自分の投げ方は見えませんから、できれば誰かを捕まえて、その人に自分の投げ方を見てもらってアドバイスをもらうのがいいでしょう。(だれもいなければ、すこし寂しいですがビデオカメラを使いましょう。)右手と左手の投げ方の違いや、何投目が高く(低く)なっているということは外からの視点がなければ、なかなか分からないものです。
正しく投げる事ができるようになってはじめてキャッチを意識しましょう。適切なリズムで行うと最後のボールを投げるタイミングと最初のボールをキャッチするタイミングが同じです。4つのボールをキャッチする音が等間隔に聞こえているかどうかも重要なチェックポイントです。
この練習が安定してできるようになったら、すぐにでも5つボールの練習に進むことができます。これから先はどちらかというと上級者向けの練習なので、しばらく無視して先を続けても全く問題はありません。

例によって慣れてくればフラッシュのパターンは連続して行う事もできます。ボールをキャッチしたら、すぐに次のスローを始めるのです。ボールを投げるリズムは
右−左−右−左−○−左−右−左−右−○−…
となります。(サイトスワップで言えば55550です。)
5ボールカスケードに1つ穴があいたようなパターンです。(いわゆるギャップパターンです。)正直このパターンを安定してジャグリングすることは大変難しい事です。その理由はボールを投げない空白のリズムにあります。
この練習はある程度(20キャッチ程度)5ボールカスケードができるようになった人が、リズムと高さを安定させるための練習として行うのに最適です。○の部分では手が空になるので、そこでお腹や体の横を軽く叩いてみるのも、等間隔のリズムを取るよい練習になります。
この練習は1つ上のものよりは幾分簡単です。
右手と左手に2つずつのボールを持ちます。
まず5ボールカスケードの高さでボールを
右−左
と投げます。ここで1拍休憩してその後
左−右
と投げます。投げた手はすぐに落ちてくるボールをキャッチします。ボールをキャッチしたら再び
右−左
とボールを投げます。あとは同様にパターンが続いていきます。
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| 図9 |
|---|
投げるリズムは次のようになります。(サイトスワップで言えば552となります。)
右−左−○−左−右−○−右−左−○−左−右−…
ボールを投げる手だけ見ると右右左左という変わった順番になっています。このパターンは休憩が一つ前のパターンより多いため、少し余裕を持ってジャグリングすることができます。このパターンは先ほどのパターンとは違って手が空になる拍がありません。
このパターンでは常に両手がボールを投げますので、ボールを待っている拍がありません。ただし5投に1投だけボールを反対の手に手渡す投げ方が入ります。安定してジャグリングすることは非常に難しいパターンです。
両手に2つずつのボールを持ちます。
フラッシュの時と同様、最初の3つのボールを
右−左−右
と5ボールカスケードの高さで投げます。
続いて左手のボールをすばやく右手に手渡します。(これをフィードといいます。) 空になった左手は最初に投げたボールをキャッチしに行きます。
次に再び
右−左−右
とボールを投げます。あとは同様にパターンが続いていきます。
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| 図10 |
|---|
全体的なリズムは
右−左−右−左−右−左−右−左−右−左−右−左−…
となります。(左が手渡す投げ方。サイトスワップでは5551です。)
基本パターンを1つ少ないボールでジャグリングすることを、パターンに穴をあけるという事があります。またこのようなパターンをギャップパターンと呼びます。
5ボールギャップパターンには上に挙げた3つの種類があります。5つのボールに限らずこれは基本パターンを1つ少ないボールでジャグリングしようとする時、とるべきポリシーが3種類考えられるからです。
5ボールギャップにこのポリシーを当てはめたのがまさに上に挙げた3つのパターンといえます。
例えば3ボールカスケードを2つのボールでジャグリングする方法にこれらのポリシーを当てはめてみると(サイトスワップを使っています。)
1→330 2つのボールがカスケードの軌道の中を追いかけっこするパターン。
2→2 要するに2つのボールを手に持って何もしない。
3→31 2ボールシャワー
ということになります。
4ボールファウンテンならどうなるか、是非試してみてください。
| §4-5 | 5つのボールの練習 |
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5ボールカスケードを練習する時正しい姿勢をとることは大切な事です。何でもないことのようですが、練習でうまくいかずストレスがたまってくるとこのような基本的なことがおろそかになってくる事があります。ボールを投げようとする前に、まず自分が正しい姿勢を取れているかをしっかり確認するようにしましょう
姿勢の左右のバランスが不均一になっていないか、体に余計な力が入っていないかを特に確認しましょう。バランスの崩れと余計な力はジャグリングの大敵です。
最初は5つのボールを全て投げ、全てキャッチする練習をします。実際5ボールを習得するためには最初の数週間はほとんどこの練習に費やされる事になるでしょう。
右手に3つのボール、左手に2つのボールを持って立ちます。 この状態から全てのボールを投げ上げ、全てのボールをキャッチする練習をして見ましょう。これを5ボールフラッシュといいます。
やることはいたって単純です。右手から始めて左右交互に全てのボールを同じ高さで投げます。このときの高さやリズムは基本練習で行ったとおりです。投げたボールは投げた順番に反対の手でキャッチされますので、最後は左手に3個、右手に2個のボールを持っている状態になります。
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| 図11 |
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とにかくまずは何も考えずにやってみることです。最初の挑戦では5つのボールがでたらめに空中に散らばり、5つのボールの軌道を把握する事すら困難な状態になるでしょう。それらのボールをキャッチする事など到底不可能な事に思えるはずです。
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| 図12 |
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しかしそれは当たり前の事です。最初に3ボールカスケードに挑戦した時、3つのボールですらその軌道を把握することができなかったはずです。5つのボールの動きを頭が理解するのは並大抵のことではありません。
まずはキャッチする事を忘れましょう。5つのボールを正確に投げる事だけに集中するのです。ボールをキャッチせずにボールが床を打つ音を聞きます。それらの音が等間隔に聞こえなければいけません。さらに床に落ちたボールの場所にも注目してみましょう。3つのボールが自分の左側、2つのボールが自分の右側に落ちていますか。もし5つのボールがでたらめに散らばっているなら、5つのボールが正しい場所に投げられていないという事です。
ボールが正しく投げられるようになれば、次にそれを全てキャッチしてみるわけですが、ボールの軌道さえ正しければボールは常に適切な位置に落ちてくるはずです。それを落ちてくる順に手にとっていけばよいわけです。無理矢理手を伸ばしてボールを取ろうとしてはいけません。5つ目のボールを右手から投げるのと、1つ目のボールが左手でキャッチされるタイミングがほぼ同時になる事にも注意すると良いでしょう。
さあ、ここからが本当の試練です。何度も何度も繰り返しこの練習を行ないましょう。すこしずつ、確実にあなたの頭は5つのボールの動きを理解し始めます。何回かに1回は偶然にもものすごくうまくボールが投げられる事があるかもしれません。その時の感触を忘れないようにしましょう。またどうしてもうまくいかない場合は一旦3つや4つの練習に戻って、基本的な事柄を確認してみましょう。もし疲れたりストレスを感じたら、練習を止め休憩をするのも忘れないで下さい。何かを繰り返し練習した後、少し休憩し、もう一度同じことをやってみると自分が驚くほど上達しているのに気づく事がよくあります。
ある時、投げた5つのボールが魔法のようにすべて手の中におさまる瞬間がやってくるでしょう。それはあなたが5ボーラーへの最初の一歩を踏み出した記念すべき日です。周りの人と喜びを分かち合い、カレンダーに大きな赤い丸印を書いておきましょう。そしてもちろん僕にメールをくれるのを忘れないで下さい。
さて晴れて5ボールフラッシュが成功したら、実は5ボール習得に必要な事柄の説明はもう全て終わっています。あとは6回、7回と少しずつ回数を増やしていくだけの事です。最初は10キャッチを目標にしてみましょう。それが安定してできるようになったら目標の回数を20回、30回とどんどん高くしていきます。
大切なのは
ということです。ボールを落とすまで投げ続けようとするのではなく、自分がきれいに投げられるところまで投げてボールを集めてストップする練習をするのです。まずは5ボールフラッシュがすべてです。それが完全にできるようにし、それから1投ずつ投げる回数を増やしていくようにするといいでしょう。
10回を越えた辺りから5ボールの練習はあなたにとって非常に楽しいものになるはずです。この辺りから自分の成長が目に見えて感じられるようになるからです。いつの間にか、あなたの5ボールカスケードは完全に安定してきて、20回30回を軽々とこなせるまでになるでしょう。5ボールカスケードを10キャッチを習得するのにかかった時間と同じだけの期間で、100キャッチを越えることも夢ではありません。
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| 図13 |
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さて、とは言っても5ボールの回数を増やしていく過程でやはり多くの問題に直面する事になるでしょう。この問題は3ボールカスケードの時に生じる問題とよく似ています。例えば徐々に体が前方に進みだしたり、回転し始めるといったような問題です。これらの問題点へのアドバイスを述べるなら、この一言でほぼ全てです。
例えばボールが前に落ちてくるからといってボールを少し後方に投げてみようとしたり、回転させないために左手と右手の投げる角度を変えてみたりするのはかえってパターンを不自然なものにしてしまうことがあります。最初に述べたとおり5ボールカスケードは原因とその影響が必ずしも直結していないため、意図的に問題を修整するのはほとんど不可能なのです。ですからこれに対する唯一の解決法は、"何も考えず、リラックスする"ということなのです。
ボールが衝突する、だんだんボールを投げる余裕がなくなってくる、といった問題はボールを投げる高さとリズムが均一ではないためにおこります。5ボールをある程度長く続けたければ、高さとリズムの正確さが不可欠です。この段階でもう一度今までの3ボールや4ボールの練習を見なおしてみれば、そこにかかれている事がより深く理解できるでしょう。そこでは高さとリズムの重要性を何度も何度も主張してきました。それがまだつかめていないようなら、もう一度その練習をやり直してみるといいでしょう。
他人に自分の5カスケードを見てもらうのもいいでしょう。(5ボールの上級者なら申し分ありません。)そうすれば何投目が高く投げすぎている、リズムがおかしいなどというミスは指摘してもらう事ができます。ビデオで自分を撮影してみるのも役に立ちます。
信じられないかもしれませんが初心者が陥りがちなミスにあまりにジャグリングに集中する余り”息を止めてしまう”事があります。面白い事にやってる本人は夢中になっているのでこのことに気付いていません。その人はどうして軌道は安定しているのに10回以上ジャグリングが続けられないだろうと不思議に思うのです。「息をしなければ死んでしまう」というのは生物学的な事実です。もし20回以上ジャグリングを続けたいと思うのならどうぞ呼吸をする事を覚えてください。
| §4-6 | さらに安定させるためのヒント |
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ある程度(10キャッチから20キャッチ)5ボールができる中級者のために、さらに5ボールを長く続けるためのヒントを書いておく事にします。
5ボールのようなナンバーズの練習では、スローやキャッチの回数を数える癖をつけましょう。これは自分の上達の良い目安になりますし、また目標にもなります。
数を数えるとき、その練習のやり方には2通りあります。
1つは失敗するまで5ボールカスケードを続けるという方法です。ある程度できるようになったら"できる限り長く続けようとする"という姿勢をもつことは大切な事です。これは自分がどれだけ長い間5ボールカスケードを続ける事ができるかという、上達のバロメーターになります。練習のモティベーションを高めるのにも効果的でしょう。ただこの練習方法の欠点は長く続けようとする余り、無理なキャッチやスローが多くなっていしまい、結果的に"正しい投げ方"が身に付けられなくなる恐れがあることです。俗に言う"間違いを練習している"可能性があります。また常に失敗によってパターンが終わる事も精神的にはあまり好ましくありません。
ですから常に"長く続ける事"を目指すのではなく、折に触れて2番目の練習法も取り入れることをお勧めします。
2つ目の練習法はあらかじめ回数を決めておいて、その回数でパターンをストップさせるというものです。この回数はできる限り自分が確実に安定してできるものに設定します。ここでの練習の目的は"決まった回数を正確に投げられるようにする"というものです。これはやっている側からはあまり上達も感じられず、退屈な練習かもしれませんが、大切な練習方法です。また常に成功(つまり全てのボールをキャッチする)ことによってパターンを終わる事ができるのも精神的に満足感を与えてくれます。
最初の内はどうしてもボールを投げる事、キャッチする事に神経を使いますから、5ボールの動きをボールを中心に考えてしまいます。しかし上達してくると5ボールをパターン全体として捕らえる事ができるようになります。 これは最初は何のことだか分からないかもしれませんが、すべての5ボール上級者が共通して持っている不思議な感覚です。何度もボールを投げていると何10回かに1回、たまたま5ボールが非常に安定してできることがあるでしょう。そのとき、まるで自分がボールを投げているのではなく、手の動きも含めて自分が5ボールカスケードというパターンの一部になっているような感覚を覚えるはずです。この感覚は極めて大切です。上級者は5ボールカスケードに意識を集中しているのではなく、5ボールカスケードをしている自分に意識をおいているといいます。前者を能動的な集中力というなら後者は受動的な集中力です。5ボールカスケードを習得するキーはこの受動的な集中力にあるといってもいいでしょう。
最初に5ボールカスケードの習得には体力的なことはあまり関係がないといいました。実際40歳を越えてから5ボールカスケードを習得された方もいると聞きます。しかし5ボールカスケードを安定して投げつづけるのは、これは体力的な問題が大きく関わってきます。例えていうならば歩く事と走る事は技術的にはそれほどの違いはないですが、長く走りつづけようと思えば当然体力を使うという事です。もし5ボールカスケードを100回、1000回と続けようと思えばこれは純粋に体力(持久力)の問題となってきます。
それほどではなくても5ボールカスケードは腕だけでなく背中や膝などにも負担をかけます。ですからある程度5ボールカスケードを続けたければ、腕や背筋を鍛える事も必要になってくるでしょう。
これは僕の主観的な意見ですが5ボール習得にはいくつかの壁が存在するようです。それぞれで必要と思われるアドバイスを書いておきましたので、参考にしてみてください。
これは誰もが最初に乗り越えるべき壁です。この壁を乗り越えた時から5ボールへの本当の道がスタートします。
5投目までは安定しているようなのに、どうしても7,8投目でボールを落としてしまうものです。5ボールフラッシュができてもまだ十分にリズムや高さが安定していないのが原因でしょう。こういう人は繰り返し5ボールフラッシュを練習してみる事をお勧めします。これはできればいいのではなく、リズムや高さが本当に安定していることを確認しながら行なってください。そうして1投ずつ正確に投げられるボールの数を増やしていきましょう。
この壁が中級者と上級者の壁かもしれません。20キャッチというのは本当に安定してボールを投げられる感覚を味わった人でなければなかなか越えられるものではありません。20キャッチであろうと10キャッチであろうと、基本はたった5投の5ボールフラッシュであることを思い出しましょう。基本にもどってフラッシュの練習をしたり、3ボールチェイスや、4ボールのギャップパターンなどを練習してみるのがいいでしょう。もし無理矢理ボールを投げてパターンを続けているようなら、もっと少ない数を設定して、その回数を正確にボールを投げる練習をして見ましょう。
この壁を越えた時、人は5ボールカスケードをマスターしたと実感するようです。時間にすれば高々30秒足らずですが、やっていると本当に長く感じます。5ボールのさまざまなトリックを練習したければ、この壁は確実に越えられるようにならなければいけないでしょう。
時間にして約4分です。これを越えるのは並外れた忍耐力と、持久力、そして根性です。なんのアドバイスにもなっていませんが、とにかく頑張ってください。
