
さあ、今この文章を見ているそこのあなた。一緒にボールジャグリングを始めましょう。
おっと、そういわれて思わず及び腰になっている人はいませんか?誰もが"そんなこと私にはできっこない"って思ってしまうんです。無理もないことです。だってあなたがジャグリングができないって思う理由はこんなにあるのですから。まずは黙って下の項目を順番に読んでみましょう。
そうでしょう。あなたはきっと知恵の輪なんて自分ではずせた試しがないし、オムレツを作る時はいつも卵の殻も一緒に混ぜてしまうような人です。トランプをシャフルしようとしてもいつも落っことしてしまうし、請求書のシールをはがすのにいつも四苦八苦しているような人です。
でもあなたはお箸でご飯を食べる事ができます。鼻歌を歌いながら自転車に乗ることができます。あんなに難しい携帯電話のメールの送信を片手でする事ができます。
それはあなたが器用だからですか?
あなたはきっと体育の授業でバスケットボールの試合があったら、さりげなく隅っこにいってパスをもらわないようにし、もしパスがきたらあわてて近くの味方にパスを返していたタイプの人ですね。1個のボールも満足に扱えないあなたなのに、まして3つのボールを操るなんて到底不可能に違いありません。
そう思うのならためしにあなたの近くにいる何をやらせても一流選手並みの運動神経を持っている人にボールを手渡してジャグリングさせてみましょう。ボールを扱っている人がそんなにジャグリングうまいなら、プロ野球の松井やサッカーの中田は7つのボールをジャグリングできるに違いありません。でも本当のところは、きっとあなたと同じで、3つのボールさえまるっきりできないのです。
でも軽々と4つのボールを操るおばあちゃんはたくさんいます。
ジャグラーの友達と一緒にバッティングセンターに行ってみましょう。なんならゲームセンターに行っていっしょにダンスゲームをしてみましょう。ひょっとしたらあなたのほうがよっぽどいい点数が出せるかもしれません。
世の中のジャグラーがみな恐ろしい運動神経の持ち主なら、大道芸なんかやらずに、プロのスポーツ選手になって5億円の年棒を稼いでいるはずです。
この答えは簡単です。ジャグラーの友達にこの間の試験の結果を(こっそり)聞いてみましょう。
もしあなたが定年間近で、今までお手玉なんて全くしたことがないにも関わらず、何個のボールがジャグリングできるかという世界記録に挑戦しようとしているか、ラスベガスのきらびやかなステージにたち、大勢の大富豪の前でジャグリングのショーを披露しようとしているのなら、おそらくそのとおりでしょう。でももしあなたが定年間近で、今までお手玉なんて全くしたことがないにも関わらず、3つのボールのジャグリングを覚えたいと思っているのなら、あなたの言う事は間違いです。
これは自分たちがやっていることが実は簡単な事だということがばれないようにするために、芸人たちが世の中の人々に広めている迷信のひとつです。
仕事をしているから、家事に追われているから、勉強が忙しいから、とても練習する時間なんてありません。
お昼休みに会社の屋上で一服やっている時間、ワイドショーの合間のCMの時間、息抜きにテレビゲームに興じている時間、それは何小節も続くヒップホップダンスの振り付けをすべて覚えるにはあまりにも短い時間ですが、3つのボールを投げてみるには十分すぎる時間です。
さあ、他になにか言い訳が思いつきますか?
上に書いた理由をすべて逆に読めば、それはそのまま"あなたでもジャグリングができる理由"になります。ジャグリングはエリートだけに許された、ハイレベルなスポーツなのではありません。誰にでも気軽に楽しむ事ができるレクリエーションなのです。もちろん最初試みたときは自分にはとうていできそうもなく感じるでしょう。ご安心下さい。それはあなただけではなく、誰でもそうなのです。それはあなたが不器用なのだからでも年だからなのでもなんでもなく単に"あなたが生まれてこの方3つのボールをジャグリングしようと思ったことなんて一度もなかった”からに過ぎません。
だれでも靴の紐を満足に結べるようになるにはしばらくの時間がかかったはずです。新しい事をするのですから、その動きを体に覚えさせるにはほんの少しの辛抱が必要です。習得のスピードは人によって違います。もちろん向き不向きというものは存在するでしょうし、若い人のほうが上達が早いのも事実でしょう。しかし苦労した分、自分ができなかった事を達成する喜びも大きいでしょう。その瞬間は誰にでも必ずやってきます。あなたが今までできないと思っていた事、しかも他の誰にもできないことができるようになるのです。これは素晴らしい事ではないですか。
じゃあ、もう一度言います。一緒にボールジャグリングを始めましょう。
